ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「のびる腕」

千秋(真木)は、あまり付き合いのなかった叔母・春江(中島)の葬儀に出ていた。春江は、脳梗塞で倒れた夫の看病に疲れ、首つり自殺をしたのだった。その夜、千秋がなかなか眠りにつけないでいると、さっきまで閉まっていたはずの押入れの襖が開いていた。薄気味悪さを感じながらも、布団から上半身を起こして襖を閉める千秋。すると、祭壇の方で物音がした。千秋は、恐る恐る様子をうかがったが、これといって変わった様子はない。が、千秋が再び布団に横になると、閉めたはずの襖がまた開いていた。その時、突然押入れの中から青白い腕が伸びてきて、千秋の腕を掴んだ。千秋は、悲鳴を上げながら抵抗し、何とか腕を振り払った。ところが、振り払ったはずの自分の腕に、今度はタオルが巻きついていた。それは、春江が自殺に使ったものだった。押入れに引きずり込まれそうになりながら、必死に抵抗する千秋。その時、押入れの暗闇の中には、春江の顔が…。「やめて、叔母さん…私は一緒には行けないの…」。泣きじゃくりながら千秋がそう言うと、次の瞬間、千秋の手首からタオルがはずれた。勢いあまって倒れる千秋。押入れを見ると、何事もなかったかのように襖が閉まっていた。が、千秋の手首はアザのように赤紫色に変色していた。

脚本/清水達也
演出/星野和成

島津千秋…真木よう子
野上春江…中島由紀

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