ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「夕暮れの迷子」

中学生の望(柊)は、友人の巴(坂越)と近所にあるお寺で遊んでいた。すると、遠くの方から子どもの泣き声が聞こえてくる。巴を残して、声が聞こえてきた方向に行ってみた望は、そこで迷子の男の子(熊谷)に出会った。望は巴を呼ぶが、返事がない。望は、泣きやまない男の子の手をとり、本堂へと向かった。
望が本堂の入り口で声を掛けると、和尚(久保)が現れた。迷子がいたことを告げると、和尚は「その子はどこかね?」と望に問うた。その男の子はどうやら人見知りするらしく、いつの間にか物陰に隠れて様子を伺っていた。望は、男の子の手を引いて、本堂に上がった。和尚は、ふたりを座らせると、何故かお経を読み始めた。言われた通りに手を合わせて目を閉じる望たち。お経が終わって目を開くと、そこには男の子の姿はなかった。「心配はいらんよ。あの子なら無事にお母さんのもとに帰ったはずだから」。和尚はそう望に告げた。和尚には、最初から男の子の姿が見えていなかったのだ。望はようやくすべてを理解していた。望は、もう母子が離れることがないよう祈りながら、本堂を後にした。

体験者・八木望(14歳・仮名)

脚本/清水達也

八木望…柊留美
男の子…熊谷智博
柏原巴…坂越由実子
和尚…久保晶

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