ほんとにあった怖い話
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「予言者の余波」

1995年1月――。カメラマンの英明(吉沢)は、韓国で人気のアーチストを取材するためにソウルに滞在していた。取材を終えた英明は、ホテルに戻るために停車中のタクシーに近づき、韓国語で行き先を告げた。韓国のタクシーは、行き先が運転手の都合に合わないと乗車できないことがあるからだった。すると運転手は、英明を乗せ、片言の日本語で「待っていたよ」と彼に告げる。運転手はさらに続けて、日本で大きな地震がなかったかどうか英明に尋ねた。英明がないと答えると、その運転手は車を走らせたまま後ろを振り向き、日本で大きな地震が起きる、と真剣な表情で言い始めた。英明は、その話の胡散臭さよりも、交通事故の方が心配で気が気でない。が、その運転手は、後ろを向いたままなのに、前方に停車していた車に衝突することもなく、車を操っていた。
ホテルに到着した英明は、運転手と握手をして別れた。その夜、英明は、恋人の朱美(三訳)が真っ暗な部屋で泣いている夢を見る。彼女は、足をケガしているようだった。そしてもうひとり、布団に横になりながら、床に置かれているテレビを見ている友人・倉田(河本)の姿もあった。
それから4日後、英明は信じられないニュースを見る。日本で、大きな地震が起きた、というニュースだった。阪神淡路大震災だった。朱美が実家のある兵庫に帰っていることを思い出した英明は、慌てて電話をかけたが、通じない。その時、英明は、あのタクシー運転手が言っていたのはこのことだったのだ、と悟る。
数時間後、英明はようやく朱美と連絡を取ることに成功する。朱美は、夢で見た通り、足をケガしていたが、幸いにも無事だった。倉田もまったく夢と同じ状況だった。それ以来、英明は度々予知夢を見るようになり…。

脚本…田村孝裕
演出…星野和成

英明(26)…吉沢悠
朱美(24)…三訳真奈美
倉田(26)…河本準一(次長課長)

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