Story 第七話
インタビュー

田宮准一役 ユースケ・サンタマリア

最初に『白い凶器』という台本を読まれた時の印象は?
「良い意味でストレートでベタな話だと思いました。だから、逆に好感が持てて、このまま直球勝負でドラマにしたら面白いんじゃないか? と、感じたんです。ですから、セリフも一切、自分なりに変えるようなことをしないで、田宮を演じようと思いました。」

田宮はどのような刑事にしようと思いましたか?
「ストーリー自体がとてもシリアスで悲しい話です。なので、刑事だからと言ってシリアスに役作りせず、あえて普通にいることで存在感が出るんじゃないかと思いました。ある程度、刑事としての経験を積んでいますけど、人としては本当に、僕やみなさんの周りにいるような40代の普通の男ですね。でも、『東野圭吾ミステリーズ』には、たくさんの刑事たちが登場するので、少し毛色の違った感じに見えた方が良い…とも思いました。特に今回の話は…『白い凶器』というスタイリッシュなタイトルなのに"ダサイ"と思われたくなかったんです。」

『白い凶器』という作品の面白さは?
「原作は80年代の後半に書かれています。ドラマは現在に置き換えてはいますが、設定は原作のままです。ですが"だからこそ"の面白みが出て来ていると思います。社会が求めるもの、求めないものに対する今も変わらないアンチテーゼが、シンプルだからこそ浮き彫りになるストーリーになったんじゃないか? …と。これは田宮を演じながら解ってきました。」

戸田恵梨香さんの印象は?
「お芝居でご一緒するのは初めてなんですけど、第一線で活躍する女優のオーラというか…カリスマ性みたいなものを感じました。本読み(収録前の台本の読み合わせ)の段階から、すごく難しいと思う由希子という役を8割方完成させていらっしゃいましたし。僕は恵梨香ちゃんの芝居を受けているだけで良い…ぐらいな。だから、すごく新鮮でしたね。ご本人は、可愛くてものすごく素敵な方ですので、共演できて光栄でした。女優としても女性として、人としても魅力的な方です。」

ユースケさんがいらした事で、現場が明るくなったと共演のみなさんがおっしゃっています。
「そう思って頂けたのなら嬉しいですね。でも、今回はストーリー的に現場の雰囲気って微妙じゃないですか? 特に戸田さんは、難しそうな役に挑んでいましたし…。ただ、僕は重くて悲しい話だからと言って、現場の雰囲気もそちらに流れてしまうのはどうかと思ってしまうんです。もちろん、シーンによってはとてもふざけられない所もありましたけど、なるべく収録合間には、みなさんと和んでいたいというか…これは、僕自身のモチベーションにも必要なので、ついついやってしまって。みなさん、迷惑だったとしたら、ごめんなさい(笑)。」

最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願い致します。
「『白い凶器』は『東野圭吾ミステリーズ』の中でも"とてつもなく悲しい"話です。でも、今の世のなかに"とてつもなく悲しい"作品があっても良いんじゃないか? と僕は思います。ミステリーですけど、犯人を捜すと言うよりは、その人物の背景にある出来事、悲しい人間模様に現代の日本が抱えている大きなテーマが描かれていると思うんです。もしかすると、そこに"救い"はないかもしれません。だけど、軽妙な作品が溢れるエンターテインメントの中に、こんな作品も絶対になくちゃいけないと思うので、是非、ご覧頂きたいです。」

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