Story 第二話
インタビュー
岸田創介役 白井晃
創介は、どのような人物だと思われますか?
「建築デザイナーとして一生懸命に努力してきた男だと思います。もちろん、上昇志向も高かったと思いますので、ライバルたちとの熾烈な過当競争を勝ち抜いてきたのでしょう。それだけに、息子の不祥事に慌てふためき、築き上げたものを守るために保身に回ろうとしている…。会社のみならず、家族にまで社会的に大きな負担を負ってしまったんですね。」
息子の隆夫(吉田憲祐)のために大金を使う創介の気持ちは?
「解ります。息子を守りたいという"親バカ"な一面もあると思います。同時に自分の地位を守ることで家族も守ろうとする…。人間って本当的に自己保身に回ろうとする、そのためには手段を選ばないこともあると思います。そんな人間の本質が創介の行動に現れているんじゃないでしょうか。そういった人物描写が東野作品の魅力だと思います。」
創介は全くの他人である佐藤拓也(坂口憲二)にすがります。
「現場も見られてしまいましたし…もう、彼しか考えられなかったんでしょう。家庭教師として岸田家に出入りしている好青年ですから。最初は、拓也にお金を渡そうとしたら"そういう問題じゃない"って、断ろうとしたんですよ。創介としては、ますます頼りたくなりますよね。実は拓也は、とても強かな男だったのですが…。」
拓也役の坂口さんとは?
「共演させて頂くのは初めてです。本当に真っ直ぐで、演技にも熱心に取り組まれる真面目な方ですね。拓也は、お話が進むに連れていろいろな表情が出てくるんですが、シチュエーションに合わせてキッチリと演じ分けられています。お芝居で…ですけど、坂口さんは体も大きいので睨まれると本当に怖かったです(笑)。」
岸田家には、中原丈雄さん演じる高野刑事が接近します。
「中原さんは、僕も大好きな役者さんです。僕は中原さんに優しい役柄をイメージするんですけど、今回はリハーサルの時からビシッとした追求の手を緩めることのない刑事を作っていらっしゃって…"格好いいなぁ"と見とれてしまいました。」
『犯人のいない殺人の夜』という作品は、どう思われましたか?
「原作は短編なのですが、濃縮されたストーリーが面白く展開していきます。途中では、先がどうなるか全く解りません。結末まで行き着くと、それまでに描かれていた事の背景が、きちんと理解出来る…そんな構成が面白い作品ですね。僕も台本を初めて読んだ時に"えっ? どういうこと?"って、すぐに惹き込まれてしまいました。」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願い致します。
「人の心の中には、いろいろな思惑が渦巻いていて、外面と内面は全く違うこともある…。実際に起こる事件でも、犯人の周囲にいた方が"あんなことをする人だとは思わなかった"とコメントしたりしているじゃないですか。そんなことを坂口さん演じる拓也を通して、みなさんにも感じて頂ければ良いな…と、思います。創介には"自分も同じことをしてしまうかも"という危機感を持ってご覧頂けたら嬉しいです。」
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