Story 第一話
インタビュー
望月直美役 田中麗奈
直美はどのような女性だと思いますか?
「真っすぐで純粋な女性です。また、弱さもあるんですけど、底知れない強さも持っているような気がします。アーチェリーの選手としてオリンピックに出場するという夢を生きていくことの中心に置いていて、その中で仲間たちとの間で人間関係を学んだり…喜びや悲しみも、全てがそこにありました。でも、自分に限界を感じてしまって、バランスを崩してしまったんだと思います。」
コーチ、石上純一(唐沢寿明)への想いをどう感じましたか?
「一番近くにいてくれるので、尊敬や憧れは抱いていたと思います。でも、直美にはオリンピックに出場するという夢があったので、それを支えに生きていました。ところが、その夢を失ってしまった時、コーチを支えにする事しか出来なくなってしまい、結果それしか考えられなくなったんだと思います。」
石上役の唐沢さんの印象は?
「とても素晴らしい方です。視野がすごく広くて…。同じ空間で、一緒にお芝居させて頂けて嬉しかったです。私がお芝居に悩んでいると、本当に軽やかに、ユーモアを交えてアドバイスして下さいました。深く考えすぎていると"感じるままに動けばいいんだよ"とか…。尊敬出来る素敵な俳優さんです。」
唐沢さんは、田中さんの素直でストレートなイメージは直美役にピッタリだとおっしゃっていました。
「そう思って頂けていたのは嬉しいです。最初に台本を読んだ時に直美には、おぞましさも感じました。でも、それは真っすぐだからこそ出てしまう弱さなのかもしれません。河毛(俊作)監督がおっしゃっていたのですが"人間は良い面と悪い面のバランスを取っていて、両方が内在するから生きていられる"。"どちらか片方が大きくなりすぎてしまうと、社会との折り合いが難しくなるんじゃないか?"と。私にはすごく良く解った気がします。ですから、唐沢さんが思っていて下さった部分が私にあるとしても、それだけでは生きて行けないっていうことなんですね。これからはその部分は"こっそりと持っておこう"って思います。今までも、自分はそうして生きてきたつもりなんですけど(笑)。」
直美の登場シーンは独特です。そんなストーリーをつむぐ東野圭吾さんの作品をどう思いますか?
「遺言ビデオでの登場は、プレッシャーでした。そこから始まって、謎が出て来てストーリーが膨らんでいくんですから…。でも、他の作品も同じだと思いますけど、東野さんのストーリーは単に事件が起きて謎を解明するだけではありません。その中に、必ず人間の心理や本能的な面が描かれています。映像化するとおしゃれな作品もありますし、読み進めると心にズシリと響く作品もあります。どれだけたくさんの引き出しをお持ちなのでしょう? 本当にすごいと思います。」
河毛監督は、いかがでしたか?
「唐沢さんと同じようにすごく刺激的で、吸収出来るところは吸収させて頂こう、と思いました。役者の資質を見抜くのが早くて"ここはもっと解放した方が良い"とか"そこは抑えて"と、ご指導下さいました。収録の中でも役者としてのトレーニングまでして下さるんです。また、許容範囲が広いというか…私たちのお芝居を信じて下さってもいらっしゃいました。」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
「人間の危うさ…を感じて頂きたいです。直美のようにギリギリで生きている人。そして石上には余裕があるんですけど、真実の心はどこにあるのかが少し解りません。そんな2人が出会ってしまうと、何が起きてしまうのか? みなさんには、そんなことを思いながら見て頂けたら嬉しいです。」
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