遙かなる約束
-みどころ-

Q.ドラマ化が決まった時どう思われましたか?
A.日本にはおそらく帰れないと思っていたけれど、生きてさえいれば、いつか何かに出会える、祖国にも帰る事ができるのではないかというかすかな望みで生き抜いてきました。
真っ暗なトンネルを希望という針の穴のような一つの小さな光を求めながら、半世紀の間生きてきました。自分よがりな考え方ですが、固まっていたソ連が崩壊し、これは私に対する大きな天の恵みじゃないかと。やはり運命というものはどこかで開かれるものだと思います。今、生き抜いてきて良かった。ドラマ化を最初に聞いたときは、まさかと思ったんですが、世間に取り上げていただき嬉しかったです。

Q.ここだけは描いて下さいと制作側にお願いしたことは?
A.私の意見をたくさん聞いて欲しいとは思いましたが、少し話しをしただけで、プロデューサーの方に真剣に聞いていただき理解をしてもらえたので、安心して信頼してお任せしました。戦前、戦時中の教育を受けたまま、ロシアで生き抜いてきました。日本が戦争で負けて、教育方針が変わったことは知りません。しかし、それを信じ生き抜いてきました。私は日本人として恥ずかしくないよう矜持を保ちながら、死の淵を歩んだこともあります。生きてさえいれば何かに出会えるという、それが今、祖国にいれるというのは、嬉しいというか、むしろありがたいですね。

Q.視聴者の方へ。
A.戦前の教育を受けたままの人間ですので、かたくななようですが、今の日本社会の変わりように驚きました。ソ連在住時の州には日本人は私ひとり。大袈裟なようですが、日本人の代表という気持ちで、私が死んだ時にも笑われないように生きてきました。今、ロシアでは「ロシアを第二の故郷だと思って下さい」と言ってくれる人までおられる。私が今日まで頑固に日本人として生きてきた事が、ロシアの方たちから反発ではなく暖かく迎え入れてくれた事がありがたかったです。
ロシアの一般民衆にはあたたかい人がいっぱいいます。1つの家族のように扱ってくれます。日本人として誇りを持ってやってきたこと、私の真実の姿、気持ちを、ドラマを観ている方々が分かってもらえたらありがたいです。

Q.阿部寛さんとお会いになった印象は?
A.とても頼もしく思いました。そしてとても感謝しております。立派なドラマになるかと思います。

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