遙かなる約束
-みどころ-
<クラウディアとの別れ> 1997年
彌三郎はにわかには信じることが出来なかった。自分の妻と娘が日本で生きていた、何よりも嬉しいはずなのに素直に喜ぶことは出来なかった。ロシアで自分を支え続けてくれた妻と、日本で自分を待ち続けてくれた妻。二人を選ぶことは出来ない。既に彌三郎はロシアの国籍をとっており、ロシアでの名前を名乗っていた。そしてこの地に骨を埋める決意を固めていた彌三郎は、クラウディアとともに埋葬されたいと願い、二人の棺まで用意していた。だからこそ、彼はクラウディアに告げた。一時帰国をして、その後再び、クラウディアの元に帰ってくると。しかし、クラウディアの答えは、そんな彌三郎には予想もつかなかったものだった。クラウディアは言った。「1ヶ月に1度で良いから手紙を下さい」そう、クラウディアは、あの日彌三郎と交わした約束を守るため、彼を日本の妻の元に帰す決意をしたのだ。"人の不幸の上に自分の幸福を築くことはできない…"、過酷な運命を生き抜いてきたクラウディアの信念だった。
37年のクラウディアとの生活、そして50年間抱き続けた妻や娘、故郷への想い…、2つのはざまで彌三郎は深く苦悩するのだった…。
△もどる
0.遙かなる約束 TOP
(C)フジテレビジョン