月の恋人
-* STORY *-

第8話 最終回
葉月蓮介(木村拓哉)から社長の座を奪った蔡風見(松田翔太)は『レゴリス』の新戦略を打ち出す。『レゴリス』には、李忠徳(趙民和)ら新加入のメンバーの他に、風見に請われた雉畑藤吾(渡辺いっけい)や嶺岡康之(川平慈英)も戻っていた。

二宮真絵美(篠原涼子)は『レゴリス』を離れて自分の事務所に戻り、家具個展の準備。前原継男(濱田岳)と安斎リナ(満島ひかり)は、蓮介の行方を気にするが、真絵美は心配いらないと落ち着いていた。

その頃、リュウ・シュウメイ(リン・チーリン)は『新生レゴリス』の新CMを撮影中。付き人としてミン(阿部力)の姿もある。風見が帰国しようとするシュウメイを引きとめ、ミンも救っていたのだ。シュウメイには中国から映画出演のオファーも舞い込むが表情は冴えない。蓮介への想いを捨て切れずにいたのだ。

蓮介が真絵美の事務所に顔を出す。事務所の一隅と、工具を借りたいと真絵美に願い出た蓮介は一心不乱に家具作りを始めた。真絵美は、蓮介の様子を大貫柚月(北川景子)に伝える。蓮介との恋の進展を疑う柚月だが、真絵美は否定。煮え切らない真絵美に、柚月はあきれてしまう。

そんな真絵美を風見は、まだ追っていた。デザイナー契約を断り続ける真絵美に、風見はシュウメイがまだ日本にいるという事実を突きつける。風見は、真絵美の想いを蓮介から引き離そうとしたのだ。柚月から、そして風見からも抑えようとする蓮介への気持ちを引き出されてしまう真絵美。

そんなある日、真絵美が事務所に戻ると、蓮介が継男たちと食事をしていた。その時、テレビにシュウメイの新CMが流れ、あきらかに蓮介の顔色が変わる。これ以上、自分の下に引き止めておくことは出来ない。真絵美は、個展の準備を始めるからと、蓮介に事務所から出て行ってもらう。

蓮介がホテルに泊まろうとしていると、エルカ(西山茉希)から、酔いつぶれた柚月を迎に来て欲しいと連絡が入る。柚月は『レゴリス』からの蓮介失墜のあおりを受けて仕事が減り、ここのところ腐っていたのだ。

柚月が目を覚ますとオープンカーの中。隣では、蓮介が運転していた。蓮介は柚月に大貫家の別荘を貸して欲しいと頼む。別荘には、家具作りのための道具が揃っていた。別荘に着くと、柚月も蓮介の手伝いをすることになる。

その頃、シュウメイはミンから風見が蓮介を陥れたことを知らされる。

一方、真絵美の事務所では急激に仕事量が減ってきた。『レゴリス』が次々に顧客を奪っていたのだ。そんな中、真絵美は個展を開く。会場にやって来た風見は、真絵美に蓮介が柚月の別荘にいることを教える。そして、社員契約の話などどうでもよかったと、風見は真絵美に愛を告白した。

蓮介が柚月と作業をしていると地元町役場の松原潤一(相島一之)が訪ねてきた。ネットで蓮介の滞在を知ったという松原は、蓮介に町営ホールのインテリアデザインを依頼に来たのだ。実は、ネットに蓮介のことを書き込んだのは柚月だった。返事を保留した蓮介は、真絵美の個展に足を向ける。蓮介から仕事の話を聞いた真絵美は風見に会いに行く。そして、契約社員の話を受ける代わりに、蓮介が受けようとしている町営ホールデザインの入札に『レゴリス』で参加して欲しいと頼む。

こうして、町営ホールのインテリアは蓮介と『レゴリス』のコンペとなった。蓮介は、1人では『レゴリス』に太刀打ちできないと真絵美に助力を求める。

真絵美は継男とリナを連れて別荘にやって来た。端から見ているとケンカをしているようだが、蓮介と真絵美のコンビネーションは柚月も焼けるほど抜群。コンペに向けた作業は、蓮介の心を徐々に癒していく。また、柚月は蓮介との出会いをみんなに披露した。

ある日、薪を拾っていた蓮介は、真絵美のおかげで忘れていたことを思い出せたと礼を言う。そこに、大雨が降ってきた。慌てて別荘に帰ると、柚月たちは留守。と、そこに一台のワゴン車が来た。出てきたのは、ミンとシュウメイ。真絵美は車で出かけ、蓮介は別荘の中でシュウメイと2人きりに。シュウメイは精一杯な蓮介への想いを伝えて帰って行った。帰り際、蓮介はミンからシュウメイが中国に帰る飛行機の出発時刻が書かれたメモを渡された。

その夜、シュウメイが来ていたのを見てしまった柚月は、蓮介に好きだったことは後悔しないと告げる。その上で、柚月は蓮介の妹になると宣言し、ひとり部屋に帰って涙を流した。

数日後、町営ホールのコンペが開催された。『レゴリス』が豪華なデザインを提示するのに対し、蓮介のデザインはシンプルなものだった。だが、それは自分を支えてくれた柚月のために作ったもの。使ってくれる人の顔を思い浮かべながらデザインしたと言う蓮介のプレゼンに、集まった人々も拍手を送るのだが、コンペは『レゴリス』の勝ちとなる。蓮介が、おめでとうと声をかけるのだが、風見は勝った気がしないと悔しそう。すると蓮介は、風見は世界を相手に勝負しているので自分との戦いなどどうでも良いだろうと話す。そして、そのために、風見は1人ではないと諭した。その言葉に反応したのは、近くで聞いていた雉畑だった。また、蓮介はコンペのために作った椅子を柚月にプレゼントする。

真絵美が別荘の後片付けをしているとシュウメイから、これから上海に帰ると電話が入る。電話を切ると、蓮介が来た。蓮介はどこかに行こうとしていた。シュウメイのもとだと気づいた真絵美は、出て行こうとする蓮介に好きだと告白。それでも、蓮介を引き止めることは出来なかった。

蓮介は空港でシュウメイと会う。だが、この時、2人には同じ想いが流れていた。もう、一緒にはいられない…と。シュウメイは、遠くからでも蓮介に分かるようにずっと光っていたいと言い残し、エントランスに消えていった。

その頃、帰り支度をしている継男にリナが4つのコインの問題を出していた。アメンボだろうと答える継男。するとリナは、コインのふちをペンでなぞり、出来た図を継男に見せる。それは、ハートの図だった。

事務所に帰った真絵美が作業をしていると、自分が出しているものとは別の音が聞こえることに気づく。と、そこには扉を直そうとしている蓮介がいた。蓮介は彼なりに真絵美に愛を告白。いつものようにじゃれあう2人は、愛という確かなもので、さらに強く繋がって…。

それからも、シュウメイ、柚月、風見は、それぞれの人生を前向きに生きている。蓮介と真絵美の2人は…海岸を走る蓮介の車の助手席には、ウェディングドレスを着た真絵美が乗っていた。2人の薬指には…。
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