月の恋人
-* INTERVIEW *-

葉月蓮介役 木村拓哉さん
Q 『月の恋人』という企画を最初に聞かれた時の感想は?
「プロデューサーからは、一昨年には総理大臣役を頂きました。"今度はどんな役を投げて下さるのかな?"って思っていたら"社長です!"と…。それも、インテリア関係の社長ということでした。僕は、個人的にインテリアは大好きですけど、その会社の社長役という考えは頭になかったので、どんな話になるのかなって思いました。
その後、頂いた内容を基本に西谷(弘)監督や、スタッフのみなさんといろいろな話をさせてもらっています。でも、前回の総理大臣、朝倉啓太というキャラクターもそうだったけど、プロデューサーは平常心を装った顔で、いつもいろんな試練を与えて下さいます。ただ、今回演じる葉月蓮介は朝倉のように長く話すことはないと思いますよ。無口って聞いていますから(笑)。」

Q 木村さんが抱く"社長"のイメージは?
「この話を頂く前は、良いものを食べて、良い服着て、良い車乗って、良い女と一緒にいて…って、いう漠然としたイメージでした(笑)。
でも、自分が蓮介というキャラクターを演じる上で、実際に存在しているいろんな企業の社長さんたちの姿を真剣に考えてみたんです。そうしたら、なんでこの人たちは、この不景気と言われる世の中で業績を伸ばそうとしたり、前や上を見ていられたりするのだろうか? という視線に変わりました。そんな方たちの書かれたものを熟読はしてないけど、本当に表面上の部分をちょっとおさらいさせてもらったんです。
すると、みなさんに"あー、そんな発想で"、"そんな思いで"とか、興味深く受け取れる部分がありました。ですので"社長です"って挨拶された時に感じた以前のような違和感は、今ではありません。」

Q 今回は、職業ドラマではなく本格派のラブストーリーですよね?
「そういう解釈をして頂くと、自分的にも助かります。"社長が何をする?"という話ではなく、社長も所詮は男なので、周りにいる女性たちとどんな関係になり、どんな気持ちになるのか?というような人間的な部分が相当左右してくるドラマだと思うんです。ですから、みなさんにもラブストーリーというスタンスで作品を待っていて頂けると嬉しいです。」

Q 蓮介はどういう人物だと思いましたか?
「台本を読ませて頂いての印象は、ただ単純な"良い人"では全くないということ。少し卑劣というか冷徹というか…ちょっと耳や目を疑いたくなるような部分も正直るんですよ。"良い人"は期待しないで欲しいです(笑)。」

Q 蓮介は、関わる女性たちを翻弄する?
「一方的に女性の気持ちを左右させるキャラクターではないと思います。彼は彼なりに何か引っかかったことがあるのかな? という屈折した部分を僕は感じているんですよ。なので、言葉上のウソも出てくるかもしれないし、それ以上のメンタル的な面でのウソもある気がしますし…。
また今回、もう1つポイントとして、(リン)チーリンさんが中国の方として、(松田)翔太君も蔡風見という中国名を持って登場します。そこも、ストーリーに効いてくると思います。でも、決して日本と中国っていう感覚ではなく、あくまでも人と人の関係性。その中に、たまたま国際的な要素が絡むんですけど…。」

Q 今回は、少し大人な恋愛がストレートに描かれます。以前だと夫婦ものや不倫ものになりそうですが、今なら純粋な恋愛となるようです。そんな恋愛事情をどう思われますか?
「今、そう伺ってドキっとしました。そういう意識は全然なかったですね。でも、確かにそうですね。ただ、良い意味で年代と恋愛が、比例していたら良いと思います。恋愛そのものが、年をとった感じではつまらなそうじゃないですか。
恋愛自体はどこまでもピョンピョンと飛び跳ねているようなものであって欲しいですね。それが今回の蓮介にどういう風に存在してくるかは、まだ初回には表現されていないんです。まだ、言葉と気持ちでは裏腹な部分があったりするので、早く蓮介の中で飛び跳ねてくれれば良いな…と思います。」

Q 上海でのクランクインとなりました。
「収録前にキャスト、スタッフのみなさんと会い、リハーサルもさせていただいた状態で上海に入りました。早く演じたいっていう気持ちが高まった上でのクランクインは、すごく嬉しかったです。海外ロケはキャスト、スタッフが一丸となっていないといけませんが、このロケでより強固につながった気がします。現地のスタッフのみなさんにも大変お世話になりました。」

Q 共演者のみなさんは?
「共演している方もそうですけど、スタッフも含めてチームとして最高です。翔太君と北川(景子)さん、チーリンさんは初めてご一緒しました。篠原(涼子)さんとは『ギフト』以来、13年ぶり。翔太君たちとも初めてという感覚もなく、みなさんそれぞれ、自分を削り、責任を持ちながら1つ1つの現場を過ごしてきた方々。これからこのキャストでやっていける幸せを感じました。役を通してというより、その前にパーソナルな部分がきちんと存在してる方々なので、気持ち良い状態で芝居のキャッチボールが出来ます。これから先がすごく楽しみです。」

Q 実際に蓮介を演じられて、いかがでしたか?
「イヤな奴でした(笑)。でも、カット後に"あ〜、イヤな奴だな!"って声に出すと消化出来るようになってきたりして(笑)。卑劣だったり卑怯だったり…援護するわけじゃないけど、それは蓮介なりに自分の会社を守ることでもあるんですけど。ただ、蓮介は"企業より人でしょ!"って、言われてしまうんですけど、僕もそう思いますね。
でも、そんな"イヤな奴"が、なんで人の上立っているの?!って、思われてもいけません。そこを、どうやって結び付けていくかがこれからの作業になるのかな…。"あぶり出し"じゃないけど、蓮介にも何かの魅力が隠れているんじゃないでしょうか。それを上手く表現していきたいですね。」

Q 最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。
「素敵なキャストとスタッフに囲まれて、ある意味思いっきり恋愛します。男性には出来たら蓮介側に立って頂いて…。女性は、ちょっとイラってきたりすることもあるかとは思いますけど、時間の許す限り、蓮介と向かい合ってくれたら嬉しいです。」

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