風のガーデン
宮本監督の編集後記
Vol.6
6話では貞美と岳が再会を果たします。このシーンは必見です。岳は貞美を大天使ガブリエルと間違えるのですが、台本を読んだ時から「ドラマでこんな親子の再会シーンはあっただろうか!」というくらい驚かされつつ笑えたシーンでした。実際、撮っていてもかなり楽しく、よくこんな突拍子もない設定を思いつくなと倉本先生のすごさを改めて感じましたね。撮影では貞美を幻想的に見せるため、まずはスモークをたいて全体を霧がかっているように見せ、次にいつもは使わないような大きな照明で太陽が当たっていく感じを出しました。完成した映像は本当にちょっと幻想的で、貞美がガブリエルに見えるかもしれませんよ(笑)。笑っちゃうけど切なさも感じる親子の再会…、倉本脚本の魅力が凝縮しているシーンかもしれません。
そして、後半には貞美と岳の演奏のシーンがあります。神木くんはピアノがまったく弾けないところから、撮影までに「乙女の祈り」を完全にマスターしてきました。かなり努力をしたと思います。劇中で流れる音色は神木さんの演奏によるものなので、努力の成果を聞いてみてください。中井さんもチェロには大変苦労したようです。よく「腰が痛い」とつぶやくのを聞いて、私も少しだけ触らせてもらったんですが、やってみるとすぐに理由がわかりました。自然な姿勢だと弓をまっすぐに引いているつもりでも斜めになってしまうんです。まっすぐにしようと思うと、普通ではありえない姿勢になる。チェリストって見た目はどっしりと座っているのに、実はかなり苦しい姿勢を続けていることがわかりビックリしました。私の苦しそうな顔を見て、中井さんは「でしょ!」って嬉しそうでしたね(笑)。あの姿勢が自然にできるようになるまではかなりの練習が必要で、役者さんってすごいなと改めて感じました。
その2人により演奏はというと、これは実際に聞いてもらうのが一番。チェロとピアノがいい感じに重なり合って、ずっと聞いていたくなるようなとても素敵な親子の演奏シーンになっています。
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