風のガーデン
宮本監督の編集後記
Vol.2
貞美が自らの癌の進行具合を知るシーンは、なんとも言えない緊張感がありました。その後、デート中の貞美が思わず茜を抱きしめるシーンがあるんですが、それは貞美が病気への恐怖が出ているシーンなんです。病気を隠していることもあり、貞美が恐怖を表に出すことはなく、むしろ明るく日常を送っている。普通、こういう設定だと病気を引きずって貞美も作品自体も暗くなってしまいがちだけど、そうじゃないのがこの作品の魅力だと思っていて。だって"日常"ってそういうことだと思うんですよ。たとえ自分に死が近づいているのがわかっていても、思わず笑っちゃうような場面もあるだろうし、ずっと暗い顔して残り数ヶ月を過ごすことはきっとないですよね。内面に恐怖を抱えながらも普通でいようとしている貞美の葛藤がよく出ている回でもあります。だから寝ている二神を見るめる貞美の視線にはドキっとさせられるものがありますよ。
そして、2話ではガッツ(石松)さんが登場します。ガッツさんはテレビで見るまんまの方で本当に楽しい方です。今回はセリフが多かったので、実はすごく緊張していたようで、口には出さないけど前夜に頑張ってセリフを覚えてきたんだろうなっていうのがひしひしと伝わってきました(笑)。最初の頃はカットをかけると「OK牧場?」って聞いてきたんですが、途中から省エネ(?)で「牧場?」しか言わなくなって、私も「牧場!」って答えてました(笑)。ガッツさんがすごいのは誰に対しても口調も態度もまったく変わらないこと。倉本先生と話している時も、スタッフと話していている時も、そして芝居をする時も変わらないんです。ドラマの中では「本当にこういう人いそう!」って思える、いいアクセントになっていますね。
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