ガリレオ
- No.008 -
[7/9]
湯川は、商店街で黄色いコートを目撃した人物が複数いたことを千晶に告げた。が、それは美鈴ではなく別の人物だ、と続けた。黄色いコートを着ていたために、先入観でそれを美鈴と見間違えた、というのだ。千晶は、湯川の説を否定した。すると湯川は、部屋の明かりを消してカーテンを開けた。結露が発生していた窓の向こうには、赤いコートを着た人物が立っていた。湯川は、その人物が持っているスケッチブックの数字が読めるか、と千晶に問いかけた。それに対し、数字は読めなくてもあれが薫であることくらいは分かる、と答える千晶。しかし、湯川が窓を開けると、そこに立っていたのは赤いコートを着たマネキンだった。
湯川は、この事件が、ストーカー殺人を装った別の事件である、と断言した。つまり犯人は、美鈴を殺害した後、事件を隠蔽するために黄色いコートを着て美鈴の自宅周辺を歩き、彼女が一旦帰宅してから再び料理教室に行ったように見せかけた、というのだ。アリバイ作りをするためだった。犯人の思惑通りに事が進んでいたならば、美鈴の遺体は翌朝まで発見されなかったはずだった。計画が狂ったのは、共犯者である小杉が転落死したこと、そして、誰もいないはずの美鈴の部屋に千晶がおり、姿を見られたことだった。
[前へ|次へ]
△もどる
0.ガリレオ TOP
(C)フジテレビジョン