ガリレオ
- No.008 -
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薫が湯川に相談したかったのは、実は事件のことではなく、美鈴の妹・千晶(釈由美子)の奇妙な証言についてだった。千晶は、美鈴がストーカーに悩まされていることを知って心配し、度々、姉の部屋に泊まりに行っていたのだという。事件のあった夜も、千晶は美鈴の部屋で帰りを待っていた。そのとき千晶は、窓の外から、美鈴が室内をのぞきこむようにしている姿を目撃したというのだ。千晶は、それから10分ほど経っても帰ってこない美鈴のことが気になり、彼女の携帯電話に電話していた。しかし、すでにそのとき、自宅から直線距離にして30キロも離れた料理教室で美鈴は死んでいたのだ。警備員が物音に気づいて料理教室に踏み込んだのは、まさにその電話の直後だった。薫から事件の詳細を聞いた湯川は、テレポーテーション――ごくわずかの時間、あるいは瞬間的に人や物が長距離を移動するという現象は世界中で報告されている、と言うと、この一件に強い興味を示す。

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