ガリレオ
- No.001 -
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薫が実験場に到着すると、湯川たちはまだ実験を続けていた。すでに42回も失敗しているのだという。原因は、炭酸ガスレーザーが、光軸のずれや温度差などの条件で、経路調節の役目を果たすヘリウムネオンレーザーのように安定しないためだった。薫は、費用は払えない、と言って実験を止めさせようとした。が、湯川はさらに実験を続け、43回目の実験で、遂にマネキン人形の頭部を発火させることに成功する。
それを見ていた薫は、「こんな遠回しなやり方で…気の弱い人間なのね、金森は」とつぶやいた。すると湯川は、43回目で成功したというのは何を意味しているか、と薫に問いかけた。犯人は、湯川たちがそうだったように、3ヵ月以上も前から試行錯誤を繰り返し、失敗を検証して、遂に成功させた、というのだ。「つまり、42回の殺人未遂があったんだよ」という湯川の言葉に、薫は衝撃を受けていた。

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