不信のとき
-Story-
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さらに時間は流れてゆき、もう自分の命の限界を感じた義雄は、ついに道子と話がしたい、と病室に呼び出した。入院後、初めてきちんと向き合う道子と義雄。義雄は生命保険の書類を差し出し、受取人は道子になっている、大切な妻と息子のために受け取って欲しいと切り出す。そして、彼は他人同士が一つ屋根の下で暮らして、家庭を築き上げるという難題をクリアできなかった自分は落第点だと言う。だが、その難題に一緒に臨むパートナーは、道子しかいなかったと告げる。彼女も義雄がいたから働く勇気も持てたし、人工授精もできたのだと言って涙を流した。道子はたとえ血がつながっていなくても、浅井家の嫁として、義雄の妻として子どもが欲しかったと言う。だから、義雄だけが義道の父親だというのだ。そんな道子に、義雄は自分と結婚してくれて、自分の子どもを産んでくれてありがとう、道子の夫でいられて幸せだったと涙を流しながら告げる。泣きながら最後の抱擁を交わす道子と義雄…。

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