不毛地帯
- トピックス #7 -

谷川正治役・橋爪功さん

このドラマには、時代の流れという大きなうねりの中で生きて苦労し、悩む人がたくさん登場するので、私はもちろんですけど、俳優諸氏も相当苦労するんじゃないかなって。いい意味で、その苦労を楽しめるんじゃないかという気がします。苦労しているそれぞれの俳優さんの顔が、画面上でその時代に生きた人たちの苦労と重なって、とてもいい作品になるのではないかと期待しています。
終戦時、僕は幼児でしたが、戦争が終わった時、そこで人生も終わってしまった人も沢山いるんですよね。友人の父で、何かにつけて酔っぱらうと写真を見ながら、『こいつも死んだ、あいつも死んだ』と、酔うとそのことしかおっしゃらない方がいたんです。戦争で人生も終わったのに、でも生かされている。壱岐も、谷川正治も、ある意味、戦争で個人としての人生は終わった人たちだと思います。谷川が遺骨収集に残りの人生を捧げる一方、壱岐は、谷川に『生きて証人になれ』と言われたことがひとつ呪縛となり、『とにかく生き続けなきゃいけない』と思い、谷川と違ってどんどん新しいところへと進んでいくことになります。しかし、やはり壱岐が生きていく上では、戦争というとてつもなく大きなものに巻き込まれた人間の、計り知れない苦痛や苦難があったと思います。もちろん、いまの人間にだって誰にも苦難はあるわけですから、そういう意味で、壱岐が生き続けていく健気な姿は、見ている方の心にきっと通じると思います。

もどる
トピックス
0.不毛地帯 TOP

(C)フジテレビジョン