不毛地帯
スペシャルインタビュー
澤田鎌作監督
- PART2 -

Q.一方で、やはりこういう時代設定の作品を撮るというのは、苦労もあるのではないですか?

そうですね。以前手がけた『西遊記』というドラマもかなり過酷でしたが(笑)、過酷さは違えど大嘘をつけないということではこちらのほうが過酷かもしれないです。例えば、僕らは知らなくても、観ていらっしゃる方の中には、昭和30年代をよく知る方はたくさんいらっしゃると思うんですよ。ドラマ上で"物語"という大きなウソをつくためには、小さなウソはできるだけつきたくない。再現ドラマにするつもりはないですけど、それはおかしいだろう、とはできるだけ言われたくないんです。
『西遊記』の時は、龍が飛んでいようが何していようが「そういうものです!」と言い切ってしまえばこっちのものだというような感じがあったんですけど(笑)、それができないという意味では、やっぱり大変です。例えばロケ場所ひとつにしても、首都高速がまだできていない時代だとか、そういうことをひとつひとつ考えなくてはならない。道路は?ビルは?信号は?横断歩道は?窓のサッシはなかったんじゃないのか?…と考えていくと、そのままの状態で撮れるところは、今の日本の中にはないんです。そういう意味では本当に苦労していますね。

もどる
スペシャル
0.不毛地帯 TOP

(C)フジテレビジョン