不毛地帯
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Q.それは、いまの日本が直面している問題に直接つながっているものでもありますよね。

そうですね。時代はどんどんバブリーな時代に向かっていくわけで…。テレビ業界なんかも凄かったわけでしょ?テレビの台数がダーッと増えて。それと、僕らが俳優座養成所を卒業したのが同時なんですよ。だから需要がいっぱいあったわけ(笑)。テレビの普及率に合わせてドラマの需要も増えていったから。一方では、長嶋(茂雄)さんが全盛期迎えたりして、それと反比例するように映画が落ちていってね(笑)。そのころは、まだ中間層っていうものがちゃんとあったわけですよ。日本型の経営が残ってて、終身雇用で、年功序列で…で、ちゃんと退職金があって、そこまで働けば家一軒持つことができて、なんとなく年金も貰えて孫に小遣いをやれるような中間層があったわけですよ。そこがごっそりやられちゃったからね。この話はそういう時代をある意味で予見していたわけですよね。その中間層に、大門も里井もいたわけですよ。だから、壹岐が次の社長を狙っていますよ、って言われても、大門自身は、そんなにそこには執着していなかったと思うんです。そうじゃないんですよ。大門は、いつでも退いていいと思っている。でも、7400人という社員がいるから何とかしようと思ったけど、その先の明確なビジョンが持てなかった、というね。

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