ファースト・キス
- ｷｬﾗｸﾀｰ -
□高木蓮子
┗松雪泰子
高木 蓮子(たかぎ･れんこ 33歳)｡
美緒の日本での担当医｡
ｱﾒﾘｶで研修していた時､助手として美緒を受け持っていた｡ｸｰﾙで色っぽい女医だけあって､診察に付き添った和樹は､すぐに虜になってしまうが､日々､命の最前線で働いている蓮子は､ただの女たらしの和樹なんぞ全く相手にしない｡
だが､そんな彼女もかつては恋をしたことがあった｡相手は自らが初めて担当した患者だったが､治療の甲斐なく男は死んだ｡それまで頭でっかちで生きてきた蓮子は初めて知った｡｢人間はいつか死ぬんだ｡どんなにｽﾃｷな恋をしようと…｣
その日から､彼女は仕事にまい進した｡患者を一日でも長生きさせたい!と寝る間も惜しんで働いた｡その心の奥には､恋人の死を忘れたいという､ごく普通の女性の悲しみがあったが､周囲は誰もそんなことは知らなかった｡戦争のような日々のなかで､寂しさを感じることもあったし､その美しさから男性にくどかれることもあったが､いつもその場限りの火遊びにとどめた｡そう､失うのがこわいから…｡
だが､病を抱えながらも最後の火を燃やすように壮絶なﾜｶﾞﾏﾏを言う美緒の治療を担当し､なんの取り柄もない兄･和樹がﾎﾞﾛﾎﾞﾛになりながらも妹の無理難題をかなえてやろうとする姿に接するうちに､蓮子は｢長く生きることだけが尊いんじゃない｡どう生きるかなんだ｣と気づき､いつも必死でﾊﾞｶな和樹の人間的な魅力を感じ始める｡
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