独身貴族
a swinging single
Interview

vol.9
春野ゆき役 北川景子さん Part2

『独身貴族』もいよいよ最終回を残すだけとなりました。ここまでを振り返って今の心境をお話いただけますか?
早い段階でゆきは進さん(伊藤英明)と付き合うことになりましたが、すぐに守さん(草なぎ剛)のことが好きだと気付いて別れるのかな、と思っていたんです。でもその後、台本を何冊もらってもずっと進さんと付き合っているし、守さんに対する気持ちにもはっきり気付かないままここまで来ました。私としては、三角関係が長く続いたこと、ゆきがなかなか自分の気持ちに気付かないことが意外だった、というのが今の正直な思いです。そして、守さんもゆきと同じようだからふたりはすれ違ってしまっていて、視聴者の方にももどかしい思いをさせているんでしょうね。見てくださる方は、ふたりがお互いを好きなことに気付いているんですから。そこは私自身も少しもどかしいといいますか、「周りはみんなわかっているのに、なんで本人たちだけが気付かないの?」と思いながら演じていた部分もあります(笑)。

ゆきはどうして自分の気持ちに気付かなかったのだと思いますか?
本編のセリフにもあったように、ゆきは映画『めぐり逢えたら』で描かれるエンパイア・ステート・ビルの展望台で運命の出会いをして結婚するというような、ロマンティックな出会いや結婚を理想としているんだと思います。恋に恋する、じゃないですけど(笑)。でも、実際の恋愛ってもっと普通で気付いたら恋心が芽生えていたり、相手が大切な存在になっていたという感じだと思うんですね。だけどゆきは、映画が好きで映画の見過ぎなのか(笑)、「恋はすごくロマンティックなもの」とイメージが膨らみ過ぎて、自分の目の前にあるものが恋だと気付かなかったことが一番の理由なんじゃないかな、と思います。最終話にも、守を運命の人だと思えるきっかけがなかった、というようなセリフがありますけど、周りからしたら「ここで恋が始まってるよ!」っていう瞬間があるのに、彼女は気付かなかったんでしょうね。田舎から出てきて脚本家になりたい一心で夢に向かって邁進してきた人で、色恋みたいなものに奥手で疎かったということもあるのかな。そういう資質は守さんとも似ているのかな、とも思います。

最終話というお話も出ましたが、ズバリ、最終話の見どころを教えてください!
そうですね、言えないことが多いんですが(笑)、守さんとゆきについては、結局、ふたりは本心を明かすのか明かさないのか、明かすとしたらどちらからどんな形で告白するのか、ということですよね。あとは、玲子さん(平岩紙)が守さんに「下さい」と言ったネックレスですよね。今はゆきが持っていますがどうなるんでしょうか…そこも最終話で解決しますので注目していただきたいです。

ちなみに、ここまでで北川さんが印象的だったシーンといえば?
第1話のゆきが書いた台本を読んだ守さんがダメ出しするところ、第4話のパーティー会場から守とゆきが手をつないで走ったまま庭に出て、守さんの靴が片方なくなっていることに気付いてふたりで笑い合うというシーンですね。守さんとゆきの気持ちが初めて近づいたところですし、引いた画で終わって月光が輝いていたのがきれいで印象に残っています。それと、第5話のベンチに座って『めぐり逢えたら』の話をするシーンも好きですね。あそこから始まったエンパイア・ステート・ビルがここまで引っ張るとは思ってもいませんでしたけど(笑)。

最後に、最終回を心待ちにしてくださっている視聴者のみなさまにメッセージをいただけますか?
ここまでも目が離せない展開だったと思うんですけど、みなさんが気になりもどかしく思っていたところが全部最終話で解決しますので、ぜひ最後まで注目して見ていただけたらと思います。それから以前、草なぎさんが「このドラマを見て、結婚っていいな、人を愛するっていいなと思ってもらえたらうれしいことだよね」とおっしゃっていたんですが、私も同じように思っています。私自身、結婚願望はあまりないんですけど、結婚したくないのではなくて、もしかしたらゆきにとっての守さんのような人にめぐり逢っていなかったからかもしれないな、なんて思いました(笑)。今後、みなさんにも私にも、そんな素敵な出会いがあったらいいですね。

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