独身貴族
a swinging single
Interview
vol.3
春野ゆき役 北川景子さん
●「独身貴族」の企画を聞いて、どんなことを思いましたか?
タイトルを聞いて、まず「面白いドラマになりそうだな」と思いました。"独身貴族"今は、そういう人が増えていると思いますし、時代に合っているな、という印象も持ちました。そして、草なぎ剛さん、(伊藤)英明さんと私で「どんなドラマになるんだろうか」と楽しみになりました。そのあとで1話の脚本を読んで、ゆきが「夢を諦められずに結婚を遠ざけてしまう女性」として描かれていたので、「この役はまさに自分のような女性の役だし、自然に演じられるんじゃないかな」と嬉しくなりました。今は、私生活と仕事のバランスに悩んでいる女性も多いと思いますし、家庭に入っていても自分の「やるべきこと」と「やりたいこと」の間で悩んでいる方はたくさんいらっしゃいますよね。そういう女性にも共感していただけるんじゃないかな、と思いました。
●ゆきはプロポーズされた男性とその家族から、「家庭に入ること」を結婚の前提にされますね。そのあたりはどうご覧になりましたか?
「まあ、できないよね」と(笑)。専業主婦になれる方は立派ですし、自分の母親もそうでしたからすごく尊敬もしているんですけど、私のなかには、まだ仕事を優先したい自分がいますので、家事のために結婚を望まれるのは困るだろうな、と思いました。
●ゆきはどんな女性だと感じましたか?
自立心の強い人だと思いました。通帳の残高を見て落ち込んで、「夢を追いかけるだけじゃダメかもしれない」と言いながらも諦めないのは、自立したいという思いが強いんだろうな、と感じて。そこが今の時代の女性を象徴しているような気がしました。
●演じるうえで心がけていることはありますか?
ゆきのどうしても諦められない夢は脚本家になることで、若い頃から思い続けてきたその夢に向かって突き進む強さ、真っ直ぐさがあると思いますので、そこだけは忘れずに演じていけたらいいなと思っています。それから、すごく映画が好きで、映画がゆきを構成している大きな要素でもあると思いますので、少しだけおたくっぽい感じも意識して、猪突猛進でやっていく姿勢も大事にしようと思っています。
●草なぎさん、伊藤さんとの共演についてはいかがですか?草なぎさんとは今回が初共演ですね。
草なぎさんの作品はたくさん拝見しています。私が語るのはおこがましいですが、役によって印象が変わりますし、すごく緻密に役作りをされる頭脳派の方なんじゃないか、と視聴者目線で感じていました。バラエティー番組ではご一緒したことがあり、そのときはやさしくて心の大きな方、という印象を持ちました。きっと今回の現場も草なぎさんが引っ張ってくださり、温かい現場になるんじゃないか、と想像しています。
英明さんは、「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」(2009年/フジテレビ)でご一緒したことがありますが、お話も面白いし、いつも明るくてエネルギッシュで、そこにいるだけで人の目や人気を引きつけてしまう魅力があるところは今回の進役にピッタリだな、と思いました。「ブザー・ビート」のときに可愛がっていただいたので、今回もお兄さんのように慕っていけたらいいな、と思っています。
●そんな3人は、ゆくゆくは三角関係になりそうです。
今の時点だとどういう関係になるのか全然わからないんですけど、守さん(草なぎ)と進さんの間でいい感じに翻弄されて、振り回されることができたらいいな、と思っています。守さんにはインテリジェンスがありますし、進さんには華やかさやスマートさがある。兄弟でも全然タイプの違うふたりは、甲乙付けがたいといいますか、それぞれにすごく魅力がありますよね。そういうふたりの間でゆきとして上手に揺れ動くことができれば、視聴者の方にも感情移入していただけるんじゃないかと思っています。
●ちなみに、北川さんご自身は守と進どちらがお好みですか?
1話を読んだ時点ですと、守さんです。裏表がないし、自分の思っていることをはっきり言うところがいいです。例えば、「女性は一緒に住む生き物ではなく、送り届ける生き物だ」というセリフも、女性の前ではっきり言う。普通は思っても言わないと思いますけど、そこまで言い切ってくれるなら逆に気持ちがいいといいますか、「じゃあ、私も送ってもらえればそれでいいです」と言えるかなって(笑)。そういう人なら腹を割った正直な付き合い方ができそうですし、信念を持って仕事をしているところもカッコイイですし、住んでいる家もオシャレですので。進さんは素敵だけど一緒にいたら疲れそうかな。「いつもそんなにカッコよくてどうするの?私もいつもキレイじゃないといけないの?」と思ってしまいそうですので(笑)。
●草なぎさん、伊藤さんともに現在は「結婚願望がない」と話されています。北川さんはいかがですか?
私もないからこの役が来たんじゃないか、と思っているくらい、ないんですよ(笑)。といいますか、今は全然想像ができないですね。今27歳なんですけど、これが38歳くらいになったら「どうするの?ヤバくない?」なんて焦りそうな気はするんですけど、きっとギリギリまでこんな感じでいそうな気もしています。今回、「独身貴族」というドラマの話が来ている、と聞いてすぐ「やります!」って返事をしたんです。「私のことだ」と思ったからだと思います(笑)。
●最後にファンのみなさまにメッセージをお願いいたします。
こんなに幅広い世代が楽しめるラブコメディーは、最近なかったんじゃないか、と個人的に思っています。「独身貴族」というタイトルですけど、独身じゃない方が見ても共感できるところが多いと思います。私は20代の女性の立場から脚本を読んで目から鱗が落ちる場面がたくさんありましたけど、男性から見ても「女の人はこんなふうに考えているんだ」と驚くところがあるんじゃないでしょうか。コメディーではあるけれど、すごくリアルに人間の本質を描いていますし、内容が深い人間ドラマでもあると思います。しかも、それを重々しく描くのではなく、軽妙にオシャレに演出されていくところも面白いと思っていて。ゆきのヘアメイクやファッションも回を重ねるごとに変わっていく予定で、視覚的にも楽しめるようになっていますので、ぜひ楽しみにしていただけたらな、と思っています。
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