誰かが嘘をついている
- はじめに -
それでも貴方は闘いますか? それは自分の名誉のためですか?
〜有罪率99% あなたは家族を信じますか?〜
もし、貴方に痴漢容疑がかかったら、どんな地位であろうとも、その日どんな仕事、約束があろうとも、数日、数ヵ月、家や職場に帰れない可能性があります。例えそれが、無実であっても。
刑務官に囲まれ、腰縄に手錠をかけられて、全く無縁な傍聴人たちが見物している法廷に立つ。貴方はそんな自分の姿に耐えられますか? 家族は「無実だ」と最後まで信じて共に闘ってくれると思いますか? 窮地に追い込まれた貴方を、それでも会社は必要としてくれると思いますか? その弁護士、裁判官は本当に貴方の味方ですか?
突然、家族が痴漢容疑で逮捕されたら、貴女は「絶対有り得ない」と思いますか?なぜ信じる事が出来るのですか?貴女に見せていない姿に不安、疑いを持った事はありませんか?不在の間、周囲の人にどう説明しますか?そんな時、どんな状況になっても貴女の味方、本音を話せて支えてくれる人はいますか?
満員電車内で女性が痴漢の被害に遭っても、確実に犯人を特定する事は困難です。体が密着しているため、目撃者を探すのも至難の業です。捕まえた人がもし、自分の勘違いで無関係の人だったとしたら、その人の人生を狂わせてしまいます。そのせいで、ほとんどの女性は泣き寝入りしてしまいます。だからこそ、勇気を振り絞って訴えた女性の証言は"真実"と捉えられて裁判が進みます。無実を主張するのなら、真相は女性が嘘をついている「偽証」か、人違いをした「誤認」のどちらかになります。
冤罪だと訴え続け、今も闘い続けている方々はいます。逮捕されるのはほんの一瞬の事。でも裁判はいつ終わるかわからない。経済的にも精神的にも多大な負担を強いられます。そして、無罪になったとしても、精神的にも環境的にも逮捕される前の生活に戻れるでしょうか。
痴漢に遭った女性も同じ事。でも犯人が誰であろうとも心身ともに傷つけられた事には違いないのです。しかも、実際に痴漢をした者は罰金を払って翌日帰る事が出来たなら、会社にも報告せずに何食わぬ顔で職場へ戻り何も変わらない生活を送れるのです。そして、年々痴漢事件は増えています。また、痴漢は常習犯が多い犯罪です。ただ、社会に戻っても更生する施設がほとんどありません。
面識があって個人的な感情があるわけでもない、全く面識のない者同士が突然、被告人と原告になるのです。
痴漢容疑(罪名:強制わいせつ)をかけられたが無実を訴え続ける主人公(水谷豊)。たが、数ヵ月も拘留され、有罪判決を言い渡されてしまう。家族と共に会社や裁判と闘い、現代の社会で正直に生きる事の難しさや、今まで気付かなかった自分の中にある正義と偽善、友人たちの真の姿、忘れていた家族との小さな喜びと偉大な絆などを見出して行く。果たして無罪判決を勝ち取る事は出来るのか――。
そして、全てが終わった時、ごく普通のこの家族がこの事件によって何を失い、何を得る事が出来るのか? ただ、現実をドラマ化するというだけではなく、事件を通して社会をどう生き抜いていけば良いのか、家族と他人とどう向き合えば良いのかをドキュメンタリータッチで人物たちの姿を追って行きます。
自分や家族が、事件に巻き込まれたら……登場人物達を我が身に置き換え、このドラマを家族や友人と御覧になって一緒に考えてみて下さい。 "他人事"でも、単なる"不運な人たち"でも済まされない現実がここにあります。
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(C)フジテレビジョン