interview #05
宗田清役 でんでんさん

ムネさんこと宗田清を、どのような人物だととらえていますか?
当初は無口な男という設定だったようですけど、実際はそうでもないです(笑)。それ以外は、キャラクターを意識せず、とにかく「中村産業」の社長や奥さんたちと家族同然の人として自然に"そこにいる人"になれればいいかなと思っています。「中村産業」の人たちには、家族と従業員を超えたもっと深い絆みたいなものを感じるんですよ。シーンにも出てくるけど、みんな一緒に食事をしますよね。それって、いまどきなかなかないことだけど、それを当たり前のようにやっている。そこになんの違和感もなくムネさんがいられたらいいなと思ってるんです。

ムネさんは、「中村産業」の従業員の中で、年長者で一番長く勤務していますよね。工場内ではどのようなポジションなのでしょう?
そういうことすらも意識しないで、自然でいられることを目指してます。おそらくムネさん自身も「中村産業」にいる自分が当たり前で、"仕事場に通ってる"という意識すらないと思うんです。もはやお互いの存在が空気のように感じられるのが一番。そういう関係性が出せればいいですね。

従業員も家族同然の「中村産業」のような環境は、どう思いますか?
素敵な環境ですよね。この形が正しいとかすべてだとは思わないし、苦手な方もいるでしょうが、僕はいいと思います。「中村産業」に勤めていたら、今日は仕事に行きたくないな…なんて、思う日はないでしょうね(笑)。

ムネさんにとって圭介はどのような存在だと思いますか?
なくてはならない人です。キャリアはムネさんの方が長いけど、仕事の技術は圭さんの方が上だから(笑)。わからないことがあれば圭さんに聞いてるし、一緒に仕事をすると効率よくできる。工場にとっても、ムネさんにとっても大事な人です。

秋生はどのような存在ですか?
秋生? 秋生は、よくいる最近の若いヤツですね(笑)。でもすごく素直でかわいいから、ついいじっちゃうんですよ。あいつがいることで工場内が和むし、気持ちが楽になるのも魅力。チャラチャラしているけど、仕事はちゃんとやろうっていう姿勢があるからみんな温かい目で見ているし、かわいがられるんですよ。

ムネさんと秋生の関係はすごく素敵ですね。
なんとなくいい関係だね(笑)。年代が離れた人が一緒に飲みに行けるのはいいなって思います。我々、役者の世界でも似たようなことがあるんだけど、年代を超えた関係性が築けるのは素敵ですね。若い人が見て、こういう環境や仲間がうらやましいと思ってもらえる関係に映っていればいいですね。

「中村産業」の環境は本当にうらやましく、微笑ましく思います。
本当にいい職場ですよ、「中村産業」は。ただ給料は安いらしいけど(笑)。

実際も現場で三浦翔平さんと話している姿をよく見かけます。
以前、少しだけ会ったことがあって、その時の話をしたのが最初だったかな。三浦くんは秋生とは違って体育会系で、硬派で、かっこいい男なんですよ。おしゃべりでもなく、寡黙でもなく、なかなかな男だなと僕は思ってるんです。好きですね。

圭介と美雨の親子関係を、でんでんさんはどう感じますか?
奥さんと死別して、父親だけで子供を育てるって大変なことだと思うんですよ。それでもお互いを支え合って生きてきた親子ですからね。すごくいい関係の親子だと思います。だから余計に病気のことを考えると胸が締め付けられますね。実は、台本を読んでいても苦しくなって中断することが度々あるんです。自分の家族に置き換えて考えてしまったり、今後の2人のことを考えると本当に切なくなります。

今後、ムネさんも圭介の病気を知ることになります。その時、ムネさんがどうあって欲しいという希望はありますか?
ムネさんがどうするというより、やはり圭さんの病気が気になりますね。僕は病気のことはよくわからないけど、病気の進行が遅らせることができるのなら、少しでも長く、美雨ちゃんが大人に成長して、安心できるまでもって欲しいと思う。それは難しいのかもしれないけど、僕としては本当に少しでも病気の進行が遅れることを祈るばかりです。

でんでんさんが感じる、この作品の魅力を教えてください。
重くなりがちなテーマをあまり暗くならずに描いているし、スタッフや役者も真摯に取り組んでいる。切ない部分もたくさんあるけど、すごくチャレンジしているなとも感じるし、クオリティの高い作品だと思います。

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