短期集中連載
児玉清のひとり言
-きよしあをによし-

第二回「リチャードについて」

みなさん、こんにちは。まだまだ、寒い日が続きますが、春はもうそこまで来ていますね。花粉症の僕にとっては、つらい季節なんですが(笑)。

さて、今回は『鹿男あをによし』で僕が演じているリチャードこと、小治田史明についてです。第7話も終わり、リチャードの素性も明らかになってきましたね。第8話では、いよいよ小川先生(玉木宏)との対決があります。もちろん、すぐにすべてが解決とはいかないでしょうが、かなり見ごたえがあるシーンになっているんじゃないかと思います。今まで描かれていなかったリチャードの本質も浮き彫りになりますからね。

今回、僕がリチャードをやりたいと思ったのは、彼をかわいい男だと思ったからなんです。リチャードは、のめり込みやすい性格で、何かにこだわったらずっとそこに固執してしまう、ちょっと子供っぽいところがある男なんです。これまでは、誰よりも物分かりがよく分別のある大人として描かれてきましたが、それが実体ではないんですね。原作を読まれた方はおわかりと思いますが。

僕自身は、わりとあっさりした性格で何かに執着するタイプではないと思うのですが、リチャードは考古学をやる人でしょう。学問をやる人には、ある種のノリと思い込み、そして執念があるものですよね。ただ、藤原くん(綾瀬はるか)の説明にもあったように、考古学の世界では知られた人ではあるけれども、学者ではない。彼のなかのどこかに、自分は素人なんだという劣等感もあるのかもしれないですよね。だからこそ、「いつか、俺も!」と夢を見て、発掘に打ち込んでいるのでしょう。それが、ある日、ひょんなことから大変なものを見つけ……おっと、これ以上は、まだお話できませんね(笑)。そんな、実は情熱的で人間らしいリチャードですので、演じるうえでも、ちょっとしたジェスチャーを交えるようにしています。大和杯で優勝するとか何かあるごとに、ガッツポーズ的なジェスチャーをするってことがそれですね。体を動かしてお見せすることで、リチャードの人間性が少しでも伝わればいいと思っています。

さあ、そんなリチャードと小川先生がどんなふうに対峙していくのか、原作とは違ったドラマならではの世界が展開していますから、僕自身もとても楽しみにしています。次回は、そんなお話ができればいいと思っています。

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