ありふれた奇跡
インタビュー
Q.最後に、岸部さんが感じる作品の魅力、今後のみどころを教えてください。
ココを見て欲しいというのではなく、とにかく見続けていただきたいです。見ているとちょっとした隙間に本当に大事なことがあったりするんですよ。たとえば加奈と翔太。世の中には自殺をする人としない人では、圧倒的にしない人が多い。苦しい状況になってもどうにか頑張って生きようとする人がほとんど。中には不幸にも亡くなる方もいますが、加奈と翔太は、その間、つまり未遂の人。それって世の中では認められないポジションですよね。「頑張ったね」でも「お気の毒だったね」でもない、自らの力で"普通"に辿り着かなければならないわけです。傷ついているけれど、その傷は自分で作ったものであるから自分で克服しなくちゃいけない。その克服の過程には人と人とのかかわりや社会との結びつき、家族のあり方など様々なことがあって、それをどうやって何につなげていくかは本人次第。そういった葛藤がおもしろいドラマだと思います。頑張って、頑張って、やっと着くのが"普通の人が普通に頑張ってるスタート地点"ですから。ある部分ではすごく進んでるようで、ある部分では何も進んでないような気もする。見方を変えるだけで、いかようにも見えるのはさすが山田さんの脚本だなと思います。見る人の視点にとって、魅力が違ってくる作品です。いろんな楽しみ方をしてください。
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