Ns'あおい
-物語-
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泉田とあおいは､桜川病院のﾜｺﾞﾝ車で､会場から1時間ほどの場所にある墓地を訪れた｡それは､あおいの母が眠る墓地だった｡泉田は､驚いているあおいに､｢まさかあのときのお嬢さんがあなただったとはね｣と告げた｡心筋梗塞で病院に運ばれたあおいの母親が息を引き取ったとき､中学校から駆けつけるあおいのために､心臓ﾏｯｻｰｼﾞを続けていた看護師とは､当時､看護指導のためにこちらの病院に勤務していた泉田だったのだ｡
泉田は､お守りを渡したい､というあおいの母親の望みを叶えてあげられなかったことをあおいに詫びた｡あおいは､そんな泉田の言葉に首を振ると､あのとき握った母の手はまだ温かかった､と､改めて泉田に礼を言った｡
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