Ns'あおい
-物語-
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あおいは､ﾈｰﾑﾌﾟﾚｰﾄを投げ捨ててﾅｰｽｾﾝﾀｰを出て行った北沢の後を追った｡そこで北沢は､あおいに1枚のMDを渡した｡それは､北沢が白井のために作った､最高のﾃﾞﾓ音源だという｡
北沢の一件を知った瑞江は､責任を感じ､あおいたちに頭を下げた｡そこであおいは､北沢から託されたMDをﾃﾞｯｷに入れた｡ｽﾋﾟｰｶｰから流れ始めたのは､生花の卸売市場の音だった｡競りをする男たちの威勢のいい掛け声､搬送の声､作業をする車やﾌｫｰｸﾘﾌﾄの音…｡それを聞いた瑞江は､元気だったころの夫の姿を思い出し､目に涙を浮かべた｡
そのとき､奇跡は起きた｡白井の指が､微かに動いていたのだ｡慌てて白井に声をかけるあおい｡その騒ぎを聞いてやってきた高樹も､言葉を失っていた｡
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