Ns'あおい
-物語-
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あおいは、瑞江の運転する車に同乗し、卸売市場を訪れた。その活気に、驚くあおい。そこで瑞江は、たくさんのチューリップを仕入れた。チューリップは、白井が瑞江のために初めて競り落とした花なのだという。開店の日と同じように、最後の日も店をチューリップでいっぱいにしよう、という思いからだった。「お金とか、体のことなら何とか頑張っていける。でも、失くしてしまったのは希望なの」。瑞江は、そうあおいに告げた。するとあおいは、瑞江が頑張りすぎることはない、と応えた。白井の世話を頑張るのは自分たち看護師の仕事だから、と。瑞江が病室にくるときは、白井の手がいつもより温かいから今日は嬉しいんだ、と感じる、と瑞江に伝えるあおい。続けてあおいは、いつも通り花を持って病室に来てくれれば、瑞江の笑い声が白井の希望にもなる、と彼女に話した。瑞江は、その言葉を聞いて、まるで肩の力が抜けたかのように温かい涙を流していた。

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