Ns'あおい
-物語-
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日曜日、主だった医師たちはグループの全体会議に出席した。高樹の姿もなかったため、あおいや小峰は驚いていた。するとそこに、ハリーコールが鳴り響いた。見舞い客たちと酒を飲んでいた笠井が、突然意識を失って吐いたのだ。小峰は、田所と高樹を呼び戻すよう片桐に指示すると、あおいとともに処置にあたった。
あおいたちは、喉に詰まった吐瀉物を吸引した。が、吐瀉物が気管に入って窒息状態を引き起こしていた。あおいは、気道確保をするよう江藤に進言するが、江藤はすっかりびびってしまい何も出来ない。ほどなく、笠井の呼吸が停止した。あおいは、愕然となる江藤に挿管具を手渡すと、泉田から聞かされた雛鳥の話を持ち出し、あのときと同じように絶対に諦めないでほしい、と懇願する。「先生なら、必ず助けられます」。真っ直ぐに自分を見つめてそう言うあおいに背中を押された江藤は、震える手で挿管具を握り締めると、息を整え、気合の雄叫びを上げた。

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