悪党
Interview

滝沢秀明
今回、約3年ぶりのドラマでしたが、自分なりのペースで思いっきりやれたと思います。舞台ではお客さんを意識しますが、ドラマは自分たちがやっていることを切り取ってみていただくものだと思っています。その違いはありますが、今回も舞台同様思う存分演じる事が出来ました。そして今回の「悪党」のテーマは、「犯罪被害者は相手の罪を許すべきなのか?」という一見重いものなのですが、今の社会を反映した重厚なストーリーです。そういう意味でも、自分の中でひとつのチャレンジになった作品で、とてもよいタイミングで出会えた感じです。

僕が演じる佐伯修一は、強い部分をもった男で、とても演じがいがありましたが、正直、難しかったです。でも、西浦監督の指導が明確で、1シーン1シーンを厳しく、丁寧に撮影をして下さったので、とてもやりやすかったです。そして、共演の北乃きいさんは、非常にまじめでお芝居に対する取り組みがすごいと思いました。監督の要望もすぐに呑み込んで、細かい微妙な芝居に挑んでいる姿が本当に芝居が好きなんだなと感じましたし、見ていて気持ちよかったです。さらに、渡哲也さんとの撮影は、とてもよい空気感でした。今まで共演したことがあっても、役柄が違うと探りあいの芝居になりがちなんですが、そういうことも全くなく、ずっと前からこの作品を一緒にやってたという感じでした。休憩時間なども沢山話さなくても分かり合えている感じでしたね。尊敬する大先輩です。

そんな仲間たちと作り上げた「悪党」ですが、もしこれがドラマでなくリアルだったら、「あなたはどう考えますか?」というメッセージがズバズバくる作品なので、素直な気持ちでご覧になって、それぞれが心の中で思いを巡らせて頂きたいです。その答えは出ないかもしれないですが、何かしら心に残ると思いますので「もし自分だったら…」という気持ちで見ていただきたいです。

北乃きい
この作品は、いろんな人の復讐劇とその人々の人間性が、2時間の中にぎゅっと詰まっているのに、とても分かりやすいなと思いました。はるかが出てくるシーンは、少しホッとする掛け合いが多いなと思ったので、そんなシーンを大事にしたいなと感じました。
はるかは基本的には明るくて元気な子だけど、過去のいろいろな悩みを抱えていて、でもそれを表に出さないようにしている子で、そんな繊細なところを大切にして演じていけたらいいなと思い演じました。

共演した滝沢秀明さんは、犯罪被害者遺族として壮絶な過去を背負っている役を演じながらも、現場では気さくな感じで、なおかつずっと佐伯修一という繊細な役のままでいてくださった気がしたので、こちらもはるかに入りやすかったです。いろいろな視点でみることができる、とてもテンポ感のある作品になっていますので、ぜひみてください。

渡哲也
この作品は、犯罪被害者でなくとも、心に傷や痛みを抱えた人間がそれとどう向き合い、乗り越え、生きていくのか。一見、自分とは遠いテーマに思えますが、誰もは一度は考えたり悩んだりするテーマが根底にあると思います。
私が演じる木暮正人は、佐伯修一に対して、上司として指導や助言をいつもするのではなく、折に触れて、さりげなく、態度や言動で優しさを示す。温かく大きな気持ちで寄り添っている男です。
滝沢秀明君とは約4年ぶりの共演ですが、その間、彼が積み重ねてきた今までの経験、彼自身もミュージシャンでありアクターであり、滝沢歌舞伎などの舞台もやられて…そういった経験が糧となった成長ぶりが素晴らしいと感じましたね。おとこの色気と清潔感も兼ね備えている華やかな俳優です…ちょっとほめすぎましたかね。
でも今回の作品で特に感じたのは彼の「目」が魅力的な事ですね。目が真っ白で透き通っていて。久しぶりに会っても呼吸が合い、通じるものがすぐにありましたね。滝沢君の魅力いっぱいの姿と内容の濃いドラマの展開も楽しんでいただきたいです。私の魅力?はどうでもいいです(笑)

編成企画・太田大
最愛の人を奪われた者は、どうすれば罪を許せるのか?犯罪加害者は人生をリセットできるチャンスを与えられる一方で、被害者遺族の悲しみ・苦しみは一生消えることはありません。いつ何時どんな犯罪に巻き込まれるか分からない現在、誰でも犯罪被害者になる可能性があります。"もしもわが子が殺されたら…、もしも親が、兄弟が、恋人が…"その立場に立ったとき、自分ならどのように思い、どう行動するだろうか―?そんな誰でも一度は思ったことのある思いに一つの答えを提示できる作品です。
そして、タッキー&翼としてCDデビュー10周年を迎え、さらに輝きを増し、幅広いファン層に支持されている滝沢秀明さんに、犯罪被害者遺族という壮絶な過去を背負いながらも、等身大の身近な主人公を演じてもらうことで、今回のテーマを視聴者の方々にも身近な問題としてとらえられるのではないかと思い、滝沢さんにぜひ演じていただきたくお願いいたしました。苦しくも悲しいテーマですが、次々と事件が起き、それを主人公がどう解決していくかというスピード感あふれるエンターテインメントの要素も強く、また、最後には一筋の希望を提示して、生きる活力にもできる作品になれると考えています。

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