悪魔が来りて笛を吹く
◆作家
横溝 正史
1902年、神戸市生まれ。戦時中の病気静養と疎開の間に本格的推理小説を徹底的に研究。戦後46年に初の金田一耕助もの『本陣殺人事件』を連載、本格探偵小説に活気を与えた。またこれに続く『獄門島』『八つ墓村』の"岡山物"で主人公・金田一耕助探偵は、江戸川乱歩の明智小五郎と並ぶスターとなり、以後『犬神家の一族』『女王蜂』などを経て、舞台を東京に移し、『病院坂の首縊りの家』でアメリカにわたるまで約30年間活躍した。71年頃から文庫本として作品が発売され一大ブームとなり、76年映画『犬神家の一族』でその人気は決定的となった。
日本における本格的推理小説のひとつの基本を作った横溝は、戦前に由利麟太郎、戦後に金田一耕助、捕物帳で人形佐七などを次々に輩出。70年代半ばの横溝ブームのときは書店が角川書店の文庫本の背表紙で真っ黒になったというエピソードを持つ。
1981年永眠。
その"横溝正史"が、これまでの3作品と同様、今回も登場し、金田一とのやりとりで楽しませてくれる。日本中を震撼させた二つの事件について金田一と共に推理を働かすシーンなど、二人の登場シーンは、当金田一耕助シリーズならではの見どころのひとつとなっている。
<参考資料:角川書店編 「横溝正史に捧ぐ新世紀からの手紙」>
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