明智光秀
-ｲﾝﾀﾋﾞｭｰ-
Q.具体的に監督とはｸﾗﾝｸｲﾝ前に何かお話されましたか?
今回の僕の足利義昭という役はｴｷｾﾝﾄﾘｯｸで､出てくるｼｰﾝ出てくるｼｰﾝ､ﾃﾝｼｮﾝが高いんですよね｡ですからやりやすい半面､とてもﾊﾟﾜｰやｴﾈﾙｷﾞｰが必要でした｡
監督には｢僕は義昭というｷｬﾗｸﾀｰは救わないようにしようと思うんです｣と言われたんですね｡｢ほかのどの役にも最終的には救いを持たせるけれど､義昭というに男はそういう救いを持たせたくない｣と｡監督のその言葉の意味を考えて…足利将軍は日本のﾄｯﾌﾟの位置にいるわけじゃないですか｡でもその実は実権はすでに信長に移っている…その間を取り持っていたのが光秀であり､光秀に対してだけは本音もｸﾞﾁも､すべて吐露することができたと思うんですよ｡ですが､逆にいうとそれは甘えであり､最後､その自分の唯一身近にいてくれた側近の光秀が去るというときの寂しさは､まるで子どもが我がままをひたすら言い続けている感じですね｡実権を握っている信長を色々画策して追い落とそうとするのだけれど､最終的には何をやっても上手くいかない｡ですから小さくて薄っぺらいのに､自分では頭がいいと思い込んでいるｲﾔなやつにしたい｡人間的な魅力の欠片もないような､度量という言葉からほど遠いような人間にしたいと考えたんです｡
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