--赤い糸--
第一話

のどかな春の日。
1人の女の子が、舞い降りてくる桜の花びらに手を伸ばしている。
『桜の花びらが地面につく前に3枚つかむことができたら願い事が叶う』
そんなおまじないを信じ、一生懸命花びらをつかもうとしているその少女は竹宮芽衣(南沢奈央)。そこに現れる篠崎悠哉(矢崎広)。芽衣はひとつ年上の幼なじみの悠哉に恋をしている。幼い頃から姉の春菜(岩田さゆり)と悠哉と芽衣は兄弟のように育ってきた。しかし、いつからか悠哉の存在は、ただの幼なじみのお兄ちゃんから特別な人に変わっていった。この春、春菜が高校に進学し、通学路が別々になったことで、毎朝、悠哉との2人きりの時間が増えた。そんな時間が芽衣の恋心を少しずつ膨らませていった。

鈴の森第二中学校ではクラス分けの表が張り出され、生徒たちは新しいクラスメイトとともにそれぞれの教室へと向かっている。芽衣は2年3組。大好きな友達、山岸美亜(岡本玲)と中西優梨(鈴木かすみ)と同じクラスである。そんな中始まる最初のホームルーム。芽衣の隣の席だけ、なぜか空いている。

そこに遅れてやってくる、西野敦史(溝端淳平)。芽衣の隣の席に鞄を置く敦史。その拍子に鞄の中からチョコレートの箱がポトリと落ちる。それを拾った芽衣にぎこちなく「…どうも」と返す敦史。

ある日、芽衣は悠哉から呼び出され、ドキドキしながら地元の神社に向かう。ところが、悠哉の話とは、芽衣の姉、春菜への想いの告白だった。さらに、悠哉は春菜への恋に協力して欲しいと芽衣に頼む。自分の気持ちを押し隠しながら、うなずいてしまう芽衣。

悠哉が去ると、敦史がやって来た。世話になっている神社の仕事をしに来たと言う敦史に、傷心の芽衣は神様への願い事が叶うのは、どんな人かと尋ねる。すると敦史は、それは神様の気まぐれで、願い事が叶う人と叶わない人に違いはないのではないかと答えた。芽衣は、敦史に礼を言って去って行く…。

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