絶対零度
- インタビュー -

白石晋太郎役 中原丈雄さん
白石晋太郎はどのような人物だととらえていますか?
叩き上げの刑事ではありますが、素朴な感じがする人です。家庭も持っているし盆栽いじりが趣味という設定なので、刑事としての厳しさはありつつも根本にある優しさや温かさは出していきたいと意識していますね。若い4係の人たちにとって、どこか心の核になってあげられる存在でありたいと思っているんです。刑事ものということでどうしてもシリアスな厳しいシーンもあるけど、見ている人にとっても白石の存在であり雰囲気がひと息つけるシーンになればいいですね。

制作発表ではテンポの速さが大変と話されていましたが、もう慣れましたか?
そうですね(笑)。最初の頃はテンポになかなかついていけず、セリフが頭だけを通って、心を通らずに口から出てしまいそうになることがありました。前作で演じていたのが比較的ゆっくり話す人物だったので切り替えが大変だったんです。今は、共演者の方たちとの掛け合いの中でこのテンポが僕の中に練りこまれてきた感じです。ようやく監督からも「もっと速く」と言われないようになりました(笑)。

白石は、事件を追う時の貫禄ある一面のほか、泉や竹林と話している時のおちゃめな一面など、いろいろな面が見えてつかみどころのない不思議な感じがします(笑)。
演じていて楽しいです(笑)。僕自身、白石のすべてを把握しきれていないので、これからまだどんな一面があるのか楽しみでもあります。シーンによってキャラクターが変わるのは、人間ならばいろいろな面があって当然なので抵抗なく演じられますね。むしろ、そのコントラストがあることが楽しめてます。事件を追うばかりではなく、個々のバックグラウンドがチラッと見せられるといいなと思い、先日は4係のベランダに盆栽があるので、みんなが話している後ろで白石が水をあげてる演技を入れたいと監督に提案させていただきました。

白石は桜木泉をどう思っているのでしょうか?
白石にとっては娘みたいな感じでしょうね。だからといって甘やかすことはなくて、突き飛ばしたり蹴飛ばしたりしながら「ちゃんと捜査しろよ」とはっぱをかける。それが白石なりの愛情表現だと思ってます。ベテランだから桜木のやることはすっかりお見通しだけど、間違っててもあえて何も言わずとりあえずはやらせてみて、なにげなくフォローしている。しっかり見守りつつも、それを口には出さないのが白石の不器用さであり、優しさなんだと思います。

中原さんにとって上戸彩さんはどのようにうつっていますか?
完全に桜木泉と一体化してますね。本当に一生懸命でかわいらしくて、気持ち的には桜木を見守る白石と同じです。さすがに彩ちゃんのことを何でもお見通しということはありませんけど(笑)。でも女優さんというより、桜木泉として見ているかもしれません。

普通の事件と未解決事件の違い、またはそれを捜査する特命捜査対策室4係をどう思いますか?
どんな事件でも早期解決が一番だし、当然、起きたばかりの事件の捜査は第一線で活躍している刑事がやっているんだと思います。ただ同時に、塚本のセリフにもありましたが「事件を解決するのが刑事の仕事で、未解決事件は負けたってこと」であり、4係も絶対に必要な仕事なんですよね。時間が経過しているぶん苦しみも大きいであろう遺族や関係者との関係もありますし、ギラギラと事件を追うだけの人じゃなくて、少し引いた目でいろんなことを見られる人が適任なのかなと思っていて。そういう意味で、4係の面々は個性的ではありますが、そういうことを考慮して選ばれた人なのかなと感じました。

中原さんの中で未解決のままになっている出来事はありますか?
フジテレビで、主役とは言いませんが自分の代表作ともいえる作品に出演すること。それが自分の夢でもあり、未解決なことです。このまま一生懸命に突き進むことで、いつか叶えられるといいなと思っています。

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