絶対零度
- インタビュー -
竹林 匠役 木村 了さん
竹林匠はどのような人物だととらえていますか?
街でよくいそうな若者だけど、果たして科捜研にこんな人いるかなというくらい人であればいいなと思っています。一見、適当な男に見えますが、みんながそれぞれ根に持っている"事件を解決したい"という思いはもちろん持っていて、仕事に向かっている時は集中してしっかりやっている。でも仕事を離れた時は少し適当に、というメリハリをつけています。今回は、これまで共演したことのない俳優さんと演じていくので現場で生まれてくるものを大事にしようと思い、事前に"こういう人"と固めることはせずに挑みました。僕の場合、特に白石役の中原丈雄さんとの絡みが多いので、中原さんに身を委ねる感じで、素直に合わせた感じです。その中でできあがった竹林は、少しラフな男でしたね。
竹林と白石の関係性は独特ですね。
父と息子というよりは、小さい頃から知ってる近所のおじさんみたいな感覚かもしれないです。年齢差やキャリアの差はあるけど、会話が自然に成立してしまうほど距離が近いんですね。ただ、竹林は白石のたたき上げな部分を尊敬しているし、白石も竹林をパソコンの師匠として見てくれている。お互いがお互いを尊敬している、本当に素敵な関係なので、そこは意識しながら演じてます。4係の人たちと接する時もそういうスタンスはあるかもしれません。
緻密な作業や最新機器に囲まれている科捜研の環境はいかがですか?
初めてセットを見た時は「オレ(竹林)はこんなところで仕事するのか!」って驚きました。でも、竹林は基本パソコンをいじってることが多くて、作業としては意外に普通なんですよ(笑)。しかも、大森さんたちが作業をしている奥のラボには入ったことがなくて。マスクして実験的なことをしているのを見ると、なんか科捜研っぽくてかっこいいなと思ってるんですが、僕がその作業することはなさそうです。実は、自分があの中で作業している映像が見たいなと密かに思ってるけど、その願いは叶わないまま終わりそうです(笑)。
科捜研のシーンは、4係とはまた違った雰囲気があります。劇中で科捜研のシーンがどのようなポジションになればいいなと思いますか?
科捜研のシーンが見ている人に息抜きの場になればいいなと思ってるんです。どう演じれば息抜きになるのか、そういうことも考えながら演じるのは楽しいです。
未解決事件について、見方や意識に変化はありましたか?
未解決事件は、実際にもドラマとしてもこれまであまりフューチャーされることが少なかったように思うんです。事件は時間が経てば経つほど、人々の中から記憶と共に風化してしまうし、そうさせないためにもドラマでこのテーマをとりあげたことは素晴らしいと思いました。残された人たちの気持ちはもちろん、今だからできる科学捜査の現状も提示できるし、そういったことが少しでも伝わればいいですね。未解決事件って決して軽いものではないのに、ニュースなどで過去の事件の話を聞いてもどこか聞き流してしまう。でもこの作品を通して、人々が注意をかたむけるとか気持ちが動くようになればいいなという願望があります。
木村さんが感じる、この作品の魅力とは?
会話劇でしょうか。みなさんの会話で物語が進行したり回ったりするのが、おもしろいですね。会話で視聴者の方を引き込むのってすごく難しいし、役者の力を求められることでもあるんですが、みなさんすごくうまくて、僕自身も聞き入っちゃったり、考えさせれらることが多いです。物語も個人的にすごく好きで、1話の台本を読んだ時から毎回「早く続きが読みたい!」と、次へ次へと気持ちがいってしまいます。
木村さんの中で未解決のままになっている出来事はありますか?
僕は悩んだり考え事をする時は歩くクセがあって、たまに自分でもビックリするくらいの距離を歩いてることがあります。ほとんど無意識で歩き続けてるので疲れもないけど、ふと我に返ってものすごく足が疲れてたり、「ここはどこ?何時間歩いたんだよ!」なんてこともある(笑)。自分で歩くと決めての行動ではないのでなかなか治らず、未解決のままです。困ったもんです…。
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