絶対零度
- インタビュー -

大森紗英役 北川弘美さん
大森紗英はどのような人物だととらえていますか?
どうしても"ドSのアラサー"部分が目立ってしまいがちですが(笑)、何気ない顔をしてすごいことをやっている人です。事件発生から時間が経っているだけに、科捜研の検査結果で事件が大きく動きだすことも多くあって、本当にすごい仕事なんだと感じます。なので、キャラクターを守りつつも、ふざけ過ぎないようにできればいいなと思っています。

確かに、桜木泉をいじっている大森は楽しそうですね(笑)。
作品全体のテーマやテイストがありますし、そこから外れてしまっては意味がなくなってしまうので、実は加減がとても難しいんです。毎回、状況などを考え、探りながら演じています。言葉でキャラクターを説明することはできますが、人間はいろんな面を持っているもの。突発的に見せる言動や表情があると思うので、そういう時にどんなテイストで演じればいいのか、今後も迷いが出てくると思います。

緻密な作業や最新機器に囲まれている科捜研の環境はいかがですか?
個人的には居心地は最高ですね。そもそも私は手先を使った細かい作業が好きで、時間が許す限りいつまででもやっていられるタイプで、そういう意味では大森と似ているかもしれません。そのせいか、ずっと細かい作業を続けながら、時に泉をいじってストレスを発散させている大森の行動もちょっと理解できるんです(笑)。

科捜研の捜査方法で興味を持ったり、印象的だったものはありますか?
撮影に入る前は、科捜研での仕事は死体の解剖や生きている人のDNA鑑定とかだと思ってました。でも、扱っているのが未解決事件なだけあって、調べるのは遺留品や白骨ばかり。残念というわけではありませんが、撮影前に解剖シーンなどにもしっかり対応できるように、役作りの一環として寄生虫博物館に行ってたんです。人間の体内にいる虫などを見て、意外に大丈夫だななんて思っていたんですが、今のところその経験が生かされることはありませんね(笑)。ただ、これから先、どんな事件を扱うのかわからないし、白骨ではない状態の解剖シーンも出てくるかもしれないので、そういう機会があれば、役立つかもしれません(笑)。あとは、1話で「死体と娘さんのDNAが一致したと両親に連絡するのが面倒」というセリフがあったことが驚きでした。そういう電話は現場を捜査する刑事さんがするものだと思っていたので、それは発見でしたね。

科捜研のシーンは、4係とはまた違った雰囲気があります。劇中で科捜研のシーンがどのようなポジションになればいいなと思いますか?
科捜研のシーンは分岐点になっているのは感じています。例えるならリレーでバトンを渡す時のような、何かそれまでのペースが変わるポイントになればいいなと思っています。独特のペース感があるので、映像の方向やスピードが切り替わるタイミングとして、いい雰囲気を作り出せればいいですね。

未解決事件について、見方や意識に変化はありましたか?
これまで、未解決事件のニュースなどを見ると「なんで解決できないんだろう?」というもどかしい思いは多少なりともありました。でも、刑事さんがこんなに一生懸命に動いても、風化してしまったりして見つけられないことや発見できないことがあるんだということがわかった。何もしてないから未解決なのではなく、努力があっても解決できない事件なんですね。未解決=諦めたみたいな感覚もあったけど、未解決だからこそ、なんとしてでもつかまえたいという刑事さんの思いや頑張りを、ぜひ見て欲しいです。

北川さんが感じる、この作品の魅力とは?
刑事ドラマではあるけど、被害者や遺族や関係者の気持ちがとてもわかりやすく繊細に描かれている作品だなと思います。そういう方たちや刑事さんの、諦めない姿勢や気持ちは人間として忘れちゃいけない大事なもののような気がして、それがちゃんと伝わればいいですね。

北川さんの中で未解決のままになっている出来事はありますか?
私は花粉症なんですけど、こんなにも科学や病気の治療法が進歩しているのに、なぜ花粉症の特効薬はできないのか不思議でしょうがないです。解明しきれていないのか、解明されていても治せないのかはわからないけど、毎年、春になるとそんな切ない思いにかられてしまいます(笑)。

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