絶対零度
- インタビュー -

深沢ユウキ役 丸山智己さん
深沢ユウキはどのような人物だととらえていますか?
頭はいいんですけど、どこか抜けている部分がある人ですね。空気を読まないというか、読めないというか…。周りの人が頭を抱えてる中、平然と「だってこれが正解でしょ?」と言ってしまったりする。もちろん、悪気はないんですよ。嫌味を言うのにも悪意を持っていう場合と、ただ正論を話した結果が嫌味になってしまう場合があるけど、深沢の場合は完全に後者。いい言葉でいうなら"天然"なんですね。

塚本さんとは何かと対立しているように見えます。
それも決してわざとではないと思います。みんなそれぞれ事件に対する思いがあり、解決したいと思っている。ただアプローチの仕方が違うので、それがぶつかる原因になってしまうのかもしれません。

演じるにあたりどういう部分を意識していますか?
僕自身、まだ深沢を完全につかみきれていないので、シーンごとにいろいろ考えながら取り組んでいます。深沢はその場の思いつきだけで動く人間ではなく、起こっていることの背景や過去を考えながら動く。今の動きが後につながっていたりもするので、1つ1つの行動に慎重になりますね。もちろん事前に何度も台本を読んでいますが、それでも見落としている部分がないか心配になります。気分的には、事件を捜査する深沢と一緒です(笑)。セリフ1つとっても、本当にそう思って言ってるのか、何かを悟られないように作為的に感情を消してるのかの判断がとても難しい。そういう意味では、常に緊張感が続いてるのでやりがいがあります。

深沢は桜木泉をどう見ていると思いますか?
信用はしてませんね(笑)。メモをとらせているのは"まだ捜査もできない人に聞き込みをやらせるなんてありえない"という深沢の正論に基づいてるだけで、別に意地悪してるわけではないんですよ。単純に後輩を育てるのは自分の仕事じゃないし、教わるものじゃなくて自分で勝手に覚えるものだという気持ちもあるんだと思います。一方で、桜木の執念だったり地道なところが事件を解決に導くことはなんとなくわかっていて。それも、"刑事が事件解決に役立つのは当たり前"だから褒めないんでしょうね。

現場の雰囲気はいかがですか?
劇中の4係そのままです。内容が内容だし、セリフも多いので、いつも楽しくにぎやかという感じではないけど、みんなが1つの方向に向かっている感じが、とても居心地がいいです。緊張感と笑いのバランスがいいんだと思います。しかも、ちょっと構って欲しいなと思うと言葉に出さなくても誰かしら構ってくれるし、放っておいて欲しい時も自然とそうなる。無理なく常に自然体でいられる現場ですね。

"構って欲しい時"があるんですか(笑)?
あります、あります。僕は基本、寂しがりやなので(笑)。

未解決事件を扱う特命捜査対策室をどう思いますか?
過去の事件で、なおかつ最初に捜査したのが自分たちではないということもあって感情移入が難しいなというのは感じます。それに、今捜査をしている自分たちと、長い時間が経過している関係者の方たちの温度差があったり、逆に長いぶん積み重なった思いの深さを感じることもある。未解決事件の捜査は本当に大変で難しいことなんだなと思いました。

丸山さんの中で未解決のままになっている出来事はありますか?
出来事ではないけど、僕自身が未解決のかたまりです(笑)。自分がどういう人間なのか、自分でもわかりきってませんから。ずっと迷宮入りです。なんていいながら、答えが知りたくない部分もあるんですけどね。それがわかってしまったら、人生おもしろくないじゃないですか。何かをきっかけにヒントがちょいちょい出てきて、それを手がかりにずっと追い続けていたいんです。ずっと解決せずに、死ぬ間際になって「あ〜、探してた答えはこんなものだったのか」って笑えるのがいいんだと思います。

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