絶対零度
- インタビュー -

高峰涼子役 山口紗弥加さん
高峰涼子はどのような人物だととらえていますか?
最初に台本を見た時は、パンツスーツをビシッと着こなしたストロングウーマン的な人を想像していて、声も低めのトーンでいこうかなと考えていましたが、監督から「それだと声の持つ温度がドライ過ぎる」と指摘がありました。さらに「クールなドライではなく、温かみのあるドライさが欲しい」という指示があり、表現するのはとても難しいけれど自分なりに調整しているところです。

演じるにあたりどういう部分を意識していますか?
扱っている題材がとても重いけれど、高峰の場合はその負荷を表現するのではなく、一度、自分の体の中に取り込んで、あえてそれを意識せず"そのままでいること"を求められているような気がします。少しでも表現がオーバーになったり、うそっぽいところが見えてしまうと「もう1回。ほんとに少しだけど行き過ぎかな」と細かい演出がありました。ちょっとしたニュアンスだったり、(声のトーンを)半音上げたり下げたり、言葉尻の強さだったりを微調整しながら、いろいろ試してみて今やっと落ち着いてきたところです。ここからキャラクターに遊びを持たせようと考えているところです。

高峰は桜木泉をどう見ていると思いますか?
痛みを知っている高峰は、チームでは泉に一番近い存在なのかもしれません。若い頃の自分を見ているようでもあり、同性として誰よりも近くには感じていると思います。1話では高峰らしい形で彼女に試練を与えましたが、それは決して意地悪をしたわけでも試したわけでもなく、身をもって気づくことの大切さを教えてたんです。言葉で教えるのではなく、自分で気づくこと、知ることの手助けをできたらいいなという高峰なりの優しさだと思います。

高峰の痛みというのは、"杉並事件"ですね?
そうです。まだ会話に出てくるだけで、高峰もさりげなくかわし続けていますが、今後、明らかになると思います。

現場の雰囲気はいかがですか?
4係はチームワークが良すぎて、こんなに楽しくていいのかな?というくらい笑ってばかりいます。お芝居でも1人1人のパーソナリティーがより見えてきたらおもしろいなと思ってます。

楽しそうな笑い声がよく聞こえてきます!
ビックリしたのは杉本哲太さんの天然ぶりです。もっと名優としての自覚を持っていただきたいくらい、おもしろいことばかりされるんですよ(笑)。今日の4係の撮影でも、本番直前に監督から丸山智己さんに急きょセリフの追加があったんですが、なぜか杉本さんがそのセリフを小さい声で何度も何度も練習してるんですよ。もちろん真剣に。「なんで哲太さんが!?」って、みんなで大笑いしてしまって…。本当におちゃめなムードメーカーさんです。おかげで本当に楽しい日々を過ごさせてもらってます(笑)。

未解決事件を扱う特命捜査対策室をどう思いますか?
時効という形で事件が風化してしまうのは、あってはいけないことだし、犯人を逃げ得にさせないためにも誰かがやらなければならないことなのかなと感じています。脚本にもありますが、残された遺族や関係者の時が止まったままになってしまう。事件の解決がすべての解決にはならないかもしれないけど、たとえば、このドラマで関係者の方たちが1歩前に踏み出すことにつながれば嬉しいですし、見ている方にも何かメッセージを届けられればいいなと思っています。実際に未解決事件はたくさんあって、その犯人は今もどこかで普通に生活している可能性もある。これはドラマだけど架空の話ではなく、現実の話であることがきちんと伝えられたらなという思いもあります。

山口さんの中で未解決のままになっている出来事はありますか?
私は手紙を書くのが好きなんですけど、ポストに投函できずにいる手紙が手元に何十通と残っています。書くのはだいたい夜中で、翌朝に読み返すと恥ずかしくなって送れなくなってしまうんです。メールも同じで、最初に書いたものが送れないから文章を継ぎ足してみるものの、今度は5000文字にもふくれあがってしまい「このメールをもらったら重いよな」ってさらに送れなくなって、保存フォルダには何年も前から書いた何百通というメールが残っています。それでも「いつか送るかも…」と思って消せずに残してるんです。すみません…(笑)。

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