ハチワンダイバー
-第10話-
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そんなところへ、鬼将棋のお手伝い・御門(ふくまつみ)が来て、角田たちが持ち込んだビデオテープの映像をスクリーンに映し出す。それは、死期が迫った凪が桐嶋に宛てたビデオレターだった。ビデオに映る凪は、誰よりも将棋を愛していた桐嶋がプロの道を捨てて、そよを救ってくれたことが嬉しかったと語る。さらに、プロでなくても最高の棋士になってほしいという自分の願いを叶えるために戦う桐嶋をずっと応援していると、夫への深い愛情と感謝があふれるメッセージが流れる。思いも寄らない母の言葉に、そよは困惑する。すると御門は、そよが1歳の頃に重病を患い、治療のために莫大な費用が必要だったこと、その治療費のために桐嶋が「関ヶ原の対局」を受けたことを明かす。自分のために、「関ヶ原の対局」を戦い、凪の思いに応えるために鬼将会を作ったのだと知ったそよは、すべての誤解を解き、父親の元へ歩み寄る。そして、「お父さん」と声をかけると、ゆっくりと手を差し伸べる。桐嶋は穏やかな涙を流しながら娘を見て、自身の手を伸ばそうとする……が、手は交わることなく、ガクリと落ちる。死の病に冒されていた桐嶋の最期だった。 あまりに突然の父の死に、そよはその場に泣き崩れる。

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