Dのゲキジョー
〜運命のジャッジ〜
■第一の決断 昭和49年 家族を捨てた日
松井誠は大衆劇団女座長とその一座の役者の間に生まれた。
両親はそれぞれ家庭を持っており、いわゆる不倫関係だった。誠は望まれない子供だったのだ。旅芸人一座の中で人並みの愛情すら受ける事ができず、小学生の頃から毎日学校を午前中で早退し舞台の幕引きの手伝いをしていた。
一座の巡業で40回以上転校を繰り返したため友達もできず、学校でもイジメにあった。両親から愛情を受けられなくても誠の居場所は一座の中にしかなかったのだ。ある日、母から初めて舞台で役が与えられた。『舞台をやれば両親からかまってもらえる』と誠は嬉しくて仕方なかった。
初舞台で誠に与えられた役は、親を失って悲しむ息子役。しかし舞台に立てた嬉しさのあまりその役を笑顔で演じてしまう。その失態に両親は大激怒。そんなある日『誠は役者に向いていない』と言う両親の会話を偶然耳にする。役者失格の烙印。それでも誠は一座でもう一度チャンスを得ようとひたすら幕引きを続けるが、中学生になっても誠にチャンスが与えられる事はなかった。
両親に見放され、一座の中でも完全に自分の居場所を見失った誠は一つの決断を下す。それは、自分の居場所を見つけるため、中学の卒業と同時に家を出て東京に行くこと。しかし、誠の身に待ち受けていたのは過酷な試練だった。
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