天才ダ・ヴィンチ最大の謎と秘密の暗号

◆荒俣宏の"超"ダ・ヴィンチ・コード講座

I.秘密結社

ヨーロッパでは、閉鎖的なメンバー制の結社がたくさん出てくるんですね。
キリスト教でいうと、教会がお金持ちになって強大になり過ぎて、本来の業務を忘れてしまい、「それではいかん!」、世俗的ではないメンバー制のグループを作ろうと。
ただし、入団資格は厳しく、入ったら命を投げ捨てて目的に邁進しなければならないグループを作ろうという動きが出てきた。これは、キリスト教では修道会と呼ばれました。
修道会の中でも武力集団が作ったのが「テンプル騎士団」。
元々は、聖地を守る役割をもっていたので、観光業や金融業などの経済活動も行ない、それにより、本来閉鎖的な組織だったのが、より大きな力を持つようになりました。
そうした組織をキリスト教会が潰す時に、必ず使う手段は、「あいつらは異端だ!」ということであり、人々を影で支配しているという流言を流して潰しにかかりました。
フランスでは国王に潰されましたが、全部は潰れずに、エジンバラのロスリンなどのあまり弾圧が行われなかった場所では生き延びて、今にも伝わっています。
これが「ダ・ヴィンチ・コード」に出てくる秘密結社の流れです。
ダ・ヴィンチの時代はそうしたメンバーシップの人々が、自分達の新しい自由な発想で動き出した時代で、秘密結社だらけの時代だったと思います。

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