#136 スタッフからのメッセージ
■日本では、一体どのくらいの方がコルシカ島について知っているのでしょうか。私は正直言いまして全く知識がありませんでした。ましてやコルシカ島ではどんな食べ物があるのか、どんな食生活なのか、といった事はさっぱり分かりませんでした。フランス本土と違ってインターネットや雑誌を見てもコルシカに関する情報は殆ど載っていません。現地のコーディネーターに相談してみると、「コルシカ料理研究家の人がいるので彼に話を聞きましょう」という連絡が。それは願ったり叶ったりということで、打合せでバスティアに住む研究家の方にお話を伺おうということになりました。
バスティアはジェノバ時代の建物が立ち並び、古い歴史を感じさせる町。14世紀から18世紀までジェノバ共和国の支配時の中心地で今でもイタリアとの航路がある港町です。レストランも軒を連ね、食にはちょっとうるさいのではないか?という勝手な印象を持ってしまいました。そこでお会いしたコルシカ料理研究家、ヴィンセント・タバラーニさんは地元の新聞でコルシカの伝統料理についてコラムを連載しているコルシカ島の有名人。そして番組にも出てきたタバラーニさんのレシピ本は、今回取材に行った先々の家庭やレストランに置いてあり、本を参考に料理を作っている方が多くいらっしゃったのには驚きました。コルシカの料理というのは島独特の素材を多く使った料理。逆に言えば、その島の素材を最大限に生かす料理ということ。そんな彼のモットーはその伝統的なコルシカ料理を若い世代に伝える事と、コルシカの伝統料理をベースに新しい味を見つけ出す事。両親がレストランを経営していたことも手伝って、幼い頃から料理に触れる機会がたくさんあった事が今の彼に大きな影響を与えているのだといいます。そして、このコルシカ料理の素晴らしさを広めたいと、フランス本土は勿論、イタリアやフィンランド、カナダ、台湾でもコルシカ料理のデモンストレーションを積極的に行っているのだそうです。
タバラーニさんにお会いした時の第一印象は「なんて元気な人なのだろう」という印象でした。お会いする前に彼が連載している地元紙のコラムを読んだのですが、そこに載っている写真は正直、怪訝そうで偉そうな感じがしたのです。この人感じ悪いんじゃないだろうか?と思っていました。しかし、お会いしてみると、とても気さくで真面目な方。話を聞けば聞くほどこの島のことを深く思っているのだなぁと感じました。この熱意があればコルシカ料理が世界的に有名になるのも遅くは無い…そんな気さえしました。

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