#116 スタッフからのメッセージ

■「シューケット」と聞いてまず私が思ったのは「シュークリームとは違うのか?」ということでした。聞けばシューケットはシュークリームのシューだけ焼いたもの、だったのですが、果たしてそれだけでおいしいのか?と思ってしまいました。しかし、実際にシューケットを見てみると大きな粒砂糖がかかっていて、ふっくらとした一口サイズの甘い香りのするお菓子。食べるとサクサクした食感にほんのり甘い、本当に手軽に楽しめる丁度よいおやつでした。この大人気の定番お菓子は本当にパリの人々にはなくてはならないお菓子のようで、実際にパン屋さんの店頭に並んでいるところをなかなか見ることができませんでした。というのも私達がパン屋さんに行く時間には完全に売り切れてしまっているからなのです。お店の人に「シューケットありますか?」と聞くと「朝早く来ないと全部売り切れちゃうよ」という返事を何軒のパン屋さんに言われたかわかりません。
それほどまでにフランスの人々に愛されているお菓子、シューケットは番組でも紹介したように、もともとは貴族達が食べていたお菓子。イタリアの富豪、メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスがフランス王となるアンリ2世の元に嫁ぐ時にパリに伴って来たお菓子職人のうちの一人、ポプランが作ったものだといわれています。このお菓子職人達はシューの他にもシャーベットやマカロンなども作り出したといいます。まさにフランスのお菓子の基礎を築いたと言ってもいいくらいですね。
ところで、フランスでは「パン屋さんで売られているお菓子」と「お菓子屋さんで売られているお菓子」とがあり、一般的にはパン屋さんで売られているお菓子の方が庶民的で安いそうです。日本のパン屋さんではフランスパン、食パンからおかずパン、菓子パンとパンに関するものしかおいてありませんが、フランスのパン屋さんはそれに加え、ケーキやお菓子が置いてあります。エクレアやフルーツタルト、チョコレートケーキ、スポンジケーキ、クッキー…と日本ではお菓子屋さんで売られているようなものが一緒に店頭に並んでいるのです。では、フランスのお菓子屋さんは何を売っているのかと言えば、勿論お菓子ですが、パン屋さんよりは少しお値段が高いとか。手土産や今日は少し贅沢しようという時にはお菓子屋さんのお菓子を買うそうです。
さて、日本で言うシュークリームは様々な文献に書いてある通り、フランスではシュー・ア・ラ・クレームと呼ばれ、パン屋さんのお菓子にはないものです。取材の時には無理にお願いして作っていただきました。残ったものをスタッフでいただきましたが、やっぱりシュークリームはおいしい!現地スタッフは「懐かしい!」といって感極まってシュークリームを頬張っていました。ある意味、シュークリームは日本とフランスが生んだお菓子なのかもしれません。

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