#91 スタッフからのメッセージ
■ニームはガイドブックにはフランス最古のローマ都市とあります。かつての遺跡が保存状態良く数多く残っている街として知られ、タイトルバックに使っているイタリアのローマにあるコロッセオ(円形闘技場)そっくりの遺跡もあり(今も闘牛やコンサートなどが行われる)、歴史の重みを感じさせてくれる街です。
その郊外では様々な野菜や果物(アーモンド、桃、プラム、サクランボなどがちょうど花を付ける時期)が栽培されているのですが、特にガリゲスという地域では、イチゴ農家が数多くあります。それは20年前に品種改良され、この地にちなんだ名前を付けた「ガリゲット」を名物としてフランス国内の人々に広く知ってもらおうという、いわば町おこしの一つで、農家の人々が丹精し、シラク大統領にも献上して食べてもらっているのだそうです。
毎年最初の出荷は3月20日。奇しくも取材日は3月19日という例年の出荷日の一日前。農家の人も私たちも「ちゃんと赤くなるかな?」と心配だったのですが、そこは普段の行いのいいこの番組のスタッフの事(?)、ロケハンからちょうど1週間経ってハウスを訪れると、そこには赤くなったガリゲットが待っていてくれたのです。
摘んだばかりのイチゴを食べさせてもらうと、聞いていた通り、香りがあって甘みと酸味のバランスが絶妙だと感じました。普段甘いイチゴに慣れている人には、「真っ赤なのにちょっと酸っぱいかな」と感じる味だと思いますが、食べ応えのある、とてもいいイチゴには違いありません。
料理に使えるイチゴということで、アペリティフ(前菜)を作っていただくと、イチゴチップスにするのだとオーブンに入れるではありませんか。「え?乾燥果物にしちゃうの?」と思ったら、150度ぐらいの低温のオーブンに入れて、糖分を抜くのだと聞いてまたびっくり。そして、まだ柔らかさを残したイチゴチップスが出来上がったのです。イチゴと一緒に食べるのは、今後の放送でも紹介しますが、この地方の特産・ペラルドン(山羊の乳で作られたチーズ)。イチゴチップスと共に食べるアペリティフは、春の訪れを感じさせてくれる大人のアペリティフに仕上がっていたのでありました。

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(C)フジテレビジョン