朗読Legend
- 稽古日誌 -

◆其の一 「次のステップを目指して」
└奥寺 健アナウンサー
アナウンサーによる朗読シーンを牽引し続け、十余年。
より高い完成度を求めて臨むのが、『朗読Legend 源氏物語・宇治十帖』です。
演劇倶楽部「座」を主宰する、俳優であり演出家の壤晴彦さんは、本来原作の持つ芸術性、日本語の美しさをそのままに、舞台上に展開する魅力をストイックに追い続けてきた方です。
その力をお借りして、私たちは、次のステップに挑戦する機会をいただきました。

「舞台に立つ」。
この言葉の持つ意味を知るために、私たちは去年の秋から壤さんの下に通いました。その数30人余り。
担当番組の都合などで本番に出演するのは25人ですが、アナウンス室員の大部分が、新しいチャレンジに積極的に心の耳を傾けました。
これまで意識したことのなかった発声のメカニズム、作品に書かれた文字を声にして発するときになすべきこと……。

普段、アナウンサーとして様々な場面で言葉を操ることは経験しているものの、その土台となる部分について、私たちが必ずしも感じていなかった様々な考え方やあり方を、壤さんは示してくれました。

その壤イズムは、7月の舞台を迎える前に既に、普段の仕事の中で様々な形になって現れていると感じるほどです。
これを踏まえて、いよいよ『宇治十帖』の稽古に入ります。

源氏物語千年紀で、日本の至る所で源氏物語に関するイベントが行われた2008年、いつの時代も読者の心を動かし続けた光源氏の幻影が、日本中を包みました。
その光源氏亡き後を綴ったパートであり、その緻密なドラマの展開の素晴らしさが高く評価される、源氏物語の所謂、第三部『宇治十帖』を、満を持して千年紀の翌年である2009年に形にすべく、私たちは高揚感を持って臨んでいます。
本番までの日々の稽古で感じたことや得たことを、このサイトで時々お伝えしていければと思っております。
7月11日、12日にどんな舞台をお見せできるか、一生懸命頑張ります。どうぞお楽しみに!

もどる
0.朗読Legend TOP

(C)フジテレビジョン