インタビュー

富田 望生さん 枝元 佑奈(えだもと・ゆな)

富田 望生

Q. 『教場』の撮影はいかがでしたか

大変でしたね。いろいろやったことがないことがたくさんあったので。5日間空くとか、撮影の間が飛び飛びになって、その間に違う仕事をして、“気持ち入るのかなー”と思っていましたが、教場の現場に来て、キャストやスタッフさんにお会いすると自然と(役に)入って、そこに対して気負いとかなく、それがすごいなと思いました。私は作品に入ると撮影期間は役に入り込む感じだったんですけど、間が空くとどんな感じかなと思っていましたが、メイクをして制服を着るだけで役に入れるのがすごく印象深かったです。

Q.木村さんとは初共演でしたが、いかがでしたか

すごく優しい方でした!風間さんとしての距離感と木村さんとしての距離感を絶妙に分けられる方で、でも、“今は木村さんだ!”、“今は風間さんだ!”そういう感じではなく、“今の言葉は風間さん”、“今の言葉は木村さんの言葉だ”ってスーっと受け入れられたり、そこをきっちりと区別するわけでもなく、混ぜるわけでもなく、常に現場を見て、そのときの言葉だったり、感じるものが多くて・・・本当に優しかったです。

Q. 印象に残っている出来事は

一番最後のシーンの時に、常にどんなに自分が映らなくても、どんなにイレギュラーな目線上だったとしても必ずいてくださって、その度にちょっとずつ芝居が毎回新鮮なものに私たち側が受けることができていたんですけど、教官に対して佑奈の思いがあふれるシーンがあって、そのときに、私側のカットだったのですが、チェックを見にきてくれたのがうれしかったです。その後木村さん側のシーンもあったんですが、毎回新鮮なものをみせてくださるのが、いいなーと思いました。

Q. 木村さんに緊張はしましたか

しますね!いまだにするんですけど、木村さんに対する緊張と風間さんに対するこの人ってどんな方なんだろっていうところが、いい意味でリンクして、いい意味で風間さんだってときもあって…でも、やっぱり緊張しますね。

Q. 木村さんとはどんなお話をされましたか

たくさん話しをさせていただいた記憶があります。カメラの話とかご飯の話とか。(私が)カメラが好きで、“こういうカメラから僕は入りました”とか“撮ったの見せて”とか、そういうのが多かったです。緊張するんですけど、いてくださると結構安心します。“木村さんがいるからこうしなきゃ”とかはなく、木村さんが撮影現場以外の休憩のときに距離感をつくってくださっていたんだと思います。もちろん緊張するんですけど、“あー木村拓哉さんだ”っていうのは、気づいた頃にはなくなっていた感じですね。

Q. 現場では皆さんがとても仲良くお話されていたのが印象的でしたが、他の共演者の方とはどんなお話をされていたのでしょうか

いろいろ話しましたね。大島さんは結構くっつくのが好きみたいで。プールの撮影があって、撮ってないときに、コアラみたいに私にくっついて、笑いながら目をつむっていました(笑)。(葵)わかなちゃんは、撮影がバラバラのことも多かったのですが、一緒に食堂にご飯を食べに行っていました。一番私が年下で、一番年齢が近いのがわかなちゃんで。わかなちゃんは茹で卵が好きで、自分で作ってきていました。私は固めがすきなんですけど、わかなちゃんはすごくちょうどいいゆで卵を知っていて、“今日は絶妙なのを作ってきました”って言っていて、食べていました(笑)。大島さんも春奈ちゃんものるんですよ “私も半熟卵がすきー!!”とか・・・卵話ですごく盛り上がっていました。ゆで卵は固めが好きです(笑)。あとは、川口さんはクールなイメージがもともとあったんですけど、すごく面白いです!(工藤)阿須加さんは朝ドラで共演していたので、唯一はじめましてじゃない方だったんですが、真面目ですよね。ずっと真面目だなって思っていました。お兄ちゃんみたいな…それぞれキャラクターが濃くある中で、定(さだむ)っていう、一番警察学校が似合う男性で、小学校教師っていうのもしっくりきました。情熱にあふれる方なので…役以外のプライベートの話とか、他の現場について話を聞いてくれる方で、お兄さんみたいな感じです。だからそういった意味で小学校教師って人の話を聞くのがすごく上手なので、重なる部分がありましたね。阿須加さんの情熱的な部分が重なっているなーって思いました。

Q. ショートカットでの出演でしたが、ご自身はいかがでしたか

デビュー作がショートだったので・・・、それ以来ですね。あの作品で切ってそれ以来ずっとロングです。このドラマの画像が出た時からみんなに“ショート似合う!切ったんだねー“って言われて、自分でも日に日になじんでいったので全然違和感はなかったです。ショートにもキャラクターがありますもんね。佑奈はボーイッシュじゃないけど、前髪も横に流すぐらいなら切っとこうとかこだわっていたので・・・良いですよね、眉上(笑)。

Q. 警察学校という特殊な環境の設定で、訓練もかなり厳しかったようですが・・・

最初の頃は震えて、緊張で震えてしまうのをおさえるのに時間がかかったりしていたんですが、そういうのも、撮影の中の佑奈自身の成長とともになじんできて、すごい気持ちが良かったです。最後の方の撮影まで、撮影中も訓練していました。ある程度みんながそろってきているときに(最初の方のシーンのために)崩さなきゃいけないっていう撮影の時は、ちょっと面白かったです。みんなわざと笛を吹き荒らしたり・・・。撮影となるとわざと崩さなくてはいけないときもあったので、それが面白かったです。

Q. 体力的に過酷でしたか?

体を動かさないことに精神集中させなきゃいけないのが、体力的にはきつかったです。スポーツとか体を動かして体力的に大変なことが多いと思うのですが、スポーツとは違った精神も含めた上での訓練って感じがして、暑いも涼しいも関係ないくらいの、緊張と集中が必要で、みんなができているのに一人だけ動いている時とか悔しかったです。集中ですね。先の先まで脳みそを動かすのがかなり難しかったです。

Q. 元レスリング選手というちょっと変わった役どころでしたが、演じる上で、どのように役作りをされましたか

佑奈は、すごくピュアな心を持って警察官になりたいって入ってきているので、そこに対する強さはレスリングしていた頃の向かっていく気持ちと重なることができるんだろうなって思っていて…でも、実家が旅館ってこともあって頑張り方がちょっと田舎チック。“コレ頑張りたいから頑張りたいんです”っていうのがすごく強いので、そうやって学生時代もレスリングやってきたんだろうなっていうのは、バックボーンに置きながら演じていました。教室での存在の仕方とかは、すごく前にでるタイプではないけど、“これを頑張らなきゃ!”と思ったら、順序をえてじゃなくて、ポン!とやっちゃう感じで、真っ直ぐでピュアだなって思いながら、それを一番大切にしました。

Q. 『教場』の撮影を通して、何かご自身に変化はありましたか

あんまり変わってないかもしれないです。むしろ変わらない。(教場の撮影の合間に)他の仕事行って、やっぱりここで自分をコントロールしなきゃって思いが強いんですけど、教場にもどってくると、土台にもどる、自分のやり方に戻れるっていうのがすごく強かった1カ月半でした。数日空いて、佑奈に戻れるのか心配でしたが、安心感が教場の現場にはあったので、自分が役者に戻れる作品だったなって思いました。変わったってよりも、変わらずにいれた場所です。それは良かったですね。 最初、事務所の方に“同じ仕事を同時にやっている人は、現場に行くとその現場に自然と入っていくので大丈夫だと思います”って言われて、本当かなと思っていたんですけど、本当でした(笑)。それは一つ成長じゃないけど、良い経験になりました。また、この濃い作品でそれ気づけたことがうれしかったです。

Q. 楽しみにしている方々にメッセージをお願いします

すごく面白いと思います!めちゃめちゃ面白いと思います。本当に。いろんなことあります!警察学校って、警察官のイメージって真面目で堅くて、地域を守る人ってイメージがありますけど、それになる前の話ですからね。そこに行く前だから、いろいろあるんですよ!(笑)“これ本当にあるの?”ってことが本当にあるからこそ、警察官はかっこよく私たちを守ってくれて、そして、それに憧れる人ができてって…。佑奈がどうとかではなくて、警察学校っていうふるいにかけられるってことがすごく分かる。街とかで警察官をみるじゃないですか、親近感がわくんですよ!“今からその制服着るよ!”って、“警棒ここにあるよね、手錠ここにあるんでしょ”って(笑)。警察官に行き着くまでにいろんなことがあって、いろんな人がいて、いろんな目的があってっていう…そこが描かれているので、警察官を見る目がいい意味で変わるし…私も楽しみです。

木村拓哉さんから生徒への質問

Q. 風間教場を一言で言うと?


どんなに小さな動きでも風を起こす。どんなに小さな風でも風間教官に感じられる。

Q. 今だから言える風間教官にやめてほしかった事は?

嫌なわけではなく、心が痺れたと言うこと前提で強いてあげるのであれば、休憩中にいきなり、休め…気をつけ…手帳!と始まること。徐々にガチになって…。笑

Q. 木村拓哉と共演するならどんな役で共演してみたい?

部下。毎日振り回されて、何なんだよあいつ!とかぶつぶつ言ってみたい。