インタビュー

井之脇 海さん 南原 哲久(なんばら・てつひさ)

井之脇 海

Q. 約2カ月撮影をしてきていかがでしたか?

最初にお話をいただいた時、警察学校ということで、どこか学園ものになるのかなという印象でした。僕は今まで学園ものに参加した経験があまりなかったので、若い同世代の役者と共演できることが楽しみでした。実際、30人の生徒役みんなと二カ月間一緒にやってきたのですが、街に出たら人の命を預かるという職業を演じる責任感からか、いわゆる学園ものとは違って規律がしっかりしていて緊張感がありました。なので、チームワークというか信頼感が日々強くなっていって、濃厚な二ヶ月になりました。天候がなかなか安定せず大変な撮影でしたが、そんな中でも乗り越えてこられたのはみんなで支え合ってこられたからだと思っています。

Q.今回、木村さんと初共演でしたがいかがでしたか?

本当に真面目でストイックな方というか、紳士に役と向き合っている姿を二カ月間目の当たりにして、色々なことを学ばせていただきました。風間教官としてはもちろん、座長としての厳しさもありましたが、休憩の時にお話しさせていただいたり、役のことで相談に乗っていただいた時など、随所に木村さん自身の優しさが垣間見られて、ついて行きたいと思わせてくれる方でした。僕もいずれ先生の役や教官の役とかをする時があったら、そういう振る舞いができるようになりたいです。

Q. 木村さんとのお話で何か印象に残ったことはありますか?

空き時間に、僕の演じる南原のキャラクターについてアドバイスを下さったことです。木村さんが出ていないシーンの事も、“南原はこういうキャラクターだから、このシーンはこうなるのも有りなんじゃないか”とか具体的なことまでアドバイスいただけて、とても助かりました。

Q. 現場で楽しくお話しされているところが印象的でしたが、共演者の方とのエピソードはありますか?

教場のシーンを撮っている時は、風間教官は楽屋に戻らないので空気が張りつめていて、みんなピシッと座って緊張感が常にありました。印象に残っているのは、生徒の中で一番年上の三浦さんが空き時間に“みんなで練習しよう”って引っ張ってくださったことと、富田さんがクランクインの時に全員に手紙を書いてくださったことですね。すごく素敵だなって思いました。

Q. 富田さんからもらった手紙の内容は?

“今回の現場で初めて共演するのでいろいろとご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします。”といったことを丁寧に書いてくださっていました。メールやラインではなく、一人一人手書きで記録に残るもので書いてくださったのがとてもうれしかったです。その時点で僕は勝手に富田さんのことを好きになってしまいました(笑)。すごく魅力的な方です!

Q. 今回クランクインする前に所作の訓練など厳しい訓練がありましたが、いかがでしたか?

他の作品と重なってしまい、所作訓練が半分くらいしか参加できなくて不安でした。僕が初めて所作訓練に行ったときは、すでに二回目で、その時点で皆そろっていてヤバいって思ったんですけど、風間教官や実際に指導してくださった教官からしたらまだまだそろってないらしくて、激が飛んでいてピリッとして、“なんかもうダメなんじゃないかな”って思いました(笑)。一つ一つの動作が厳しいですし、映像的にもみんなで揃えないとかっこよくないので、個人のスキルを高めた上でみんなと合わせないといけない。一致団結というか連帯責任というか、そこが大変で、撮影の時はビクビクしていました。僕が警棒を落としたらどうなるんだろうとか。でも、不思議なことになれてくると、できるようになってきて。なので事前に準備できたことは幸せでした。所作訓練などの準備の場をスタッフさんがしっかり用意してくださったおかげで、気持ちから生まれる芝居だけでなく、規律的なことから生まれる芝居や空気感が出たのではないかなと思います。

Q. 今回の撮影で苦労したシーンはありますか?

僕が木村さんに追い詰められるシーンがあったのですが、過呼吸のようになってしまい、次のセリフとかも考えられない状態になってしまったんです。肉体的にしんどくて、信じられるものは自分自身ではなくなってきて、目の前にいる風間教官や工藤さんの表情や声を聞いてそれに反応するしかない状況まで追い込まれていました。とても大変だったのですが自分なりに手応えがあったので、良いシーンになっていればいいなと思っています。

Q. 今回、ものに対する愛情の強いマニアという役ですが、脚本を読んで実際に役作りをしてそこから変わっていったことはありますか?

僕自身も映画オタクと言われる部類にいて、こだわりが割と強いタイプの人間でもあるので、南原の物に対する執着や愛情の暴走などは理解できるし共感できましたね。それでも“何やってんだろう”って思う時はありますが(笑)。それは自分と似ているところがあるからこそ、行き過ぎてはいけないけど何か好きな物に夢中になれるって良いことだなって思えたし、演じていく中で、南原のことがすごく好きになりました。ただ暴走してはいけないなと反面教師にもなりました。

Q. ドラマ、CM、映画など多方面で活躍されていると思いますけど、今後やってみたいこと、チャレンジしてみたいことはありますか?

今回は何かを教えてもらう立場だったので、年を重ねて、今度は誰かに何かを教える責任感のある人物を演じてみたいと思いました。これは初めての思ったかもしれないですね。

Q. 楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

警察学校の内部事情やロケ地、訓練内容など今までのドラマや映画にはないような映像がたくさんでてきて、撮影中は本当にわくわくしましたし、新しいドラマになっていると確信しています。木村さん演じる風間教官は冷徹ながらもどこか優しさがあり、格好良さもあり、僕も木村さんに惚れてしまいました。そういった木村さんの格好良さと、生徒30人全員の熱量を感じていただけたら嬉しいです。

木村拓哉さんから生徒への質問

Q. 風間教場を一言で言うと?

真実を見極める場所

Q. 今だから言える風間教官にやめてほしかった事は?

魂が吸い込まれそうな義眼で、見つめないで下さい。

Q. 木村拓哉と共演するならどんな役で共演してみたい?

チェロ奏者(木村さん)とピアニスト(井之脇)の話。