インタビュー Interview

江波杏子 / キヨ

台本を読まれた感想を教えてください。

すばらしい脚本だと思います。原作も読ませていただきました。
以前、昭和30年代、私が大映映画当時研究生だった頃、大映映画で銀四郎役を田宮次郎さんが演じられ大ブレイクされた。私たちより3年先輩で私たちは新人。映画の宣伝のために田宮さんが映画館でご挨拶をされた際、お花束を持っていきました。それから50年以上経ち、何かご縁を感じます。
今回もご本を読ませていただき見事なご本になっていて感銘を受けました。
第一シーンで原作にはない船場の当時が描かれています。日本の中心にあった船場というものをきちっと描いていて、戦前の日本の経済というものも描き、風俗、社会の成り立ち、そういったものがはっきりと具体的に見えるというところがすばらしいなと思いました。

キヨという役どころについて。

江波杏子 / キヨ

女中役というのは初めてなんです。とってもうれしいです。
日本という国が大半が農民とそこから東京に出てきた人たちで成り立っていた時代にキヨは一生、大庭家に仕えていたました。そういう方は多くいたと思います。
(この作品は)当時の日本的な社会構成、「家」というものが重要な位置として成り立っていることを見せてくれますね。(キヨは)その裏方ですね。
仕えている身、ということをきちんとわきまえ、そこに「クラス(階級)」というものが見えたらと思います。
そうした作品に参加させていただけて光栄に思います。
表に立っている式子さんたちは、経済成長と共にパリまで行くわけで、かたや経済と知性。
ある社会性みたいなものが見えてくる作品だと思います。
当時の仕え人、というのは自分の役割に対して忠実だったと思います。
そういう心持ちでやらせていただきたいなと思っております。
自分の社会の中での位置ということに、キヨの場合は女中頭ということですね。
幼児期からご奉公して家を守っていく、という裏にいる人物ですよね。
スタッフの中にも素晴らしい方がいらっしゃいます。
衣装の松竹の松田さん。松竹の大中枢の方です。山田洋次さんの作品全部やっていらっしゃって。「男はつらいよ」、「幸せの黄色いハンカチ」から松竹でもこれという大作はあの方がやっていらっしゃいます。
〔女の勲章を担当している〕加藤さんは松田さんのお弟子さんです。松田さんが貴重な衣装の数々を持っていらっしゃる。ファッションが物語るドラマですからね。
そういうスタッフがいらっしゃるということにはびっくりしました。私もそうしたスタッフの方にいろいろなことを教わってきたのです。