松岡修造のくいしん坊!万才

毎週日曜 ごご5時25分

これまでの放送内容

20246月~8
長野特集

中華の概念が変わるヤバイ料理たち
2024811日放送
長野県松本市
再構築麻婆豆腐と鶏檜中華そば
中華の概念が変わるヤバイ料理たち
再構築麻婆豆腐と鶏檜中華そば
信州の古都・松本はいま、若者を中心に大きく変わり始めています。今回は、唯一無二の突き抜けたお店があると聞いて「ナチュラルスープヌードル&スパイスラボ GO-SHIKI」にやってきました。店名にもあるようにメインは麺料理ですがスパイス料理もおもしろく、「再構築麻婆豆腐」は度肝を抜かれる一品。というのも、まず見た目が全く麻婆豆腐に見えません。プレートの上に米粉で揚げた豆腐やいろんなスパイスが別々にのせられ、それらを組み合わせて一緒に食べると「口の中で麻婆豆腐になる」という仕掛け。しかも、麻婆豆腐に使う材料を単純にバラバラにしているのではなく、ひき肉の代わりに安曇野放牧豚のローストを用いてみたり、甜麺醤の代わりにみそ豆を使ったりと、オリジナリティー溢れるアイデアが斬新です。ラーメンの看板メニューは「鶏檜中華そば」という複雑ながらも広がる旨みが食べていて面白い一杯。尖りのないすっきりとした旨みの鶏ガラスープを、木曽・伊那谷の檜で香り付けしたもので、麺を啜るたびに檜の香りが漂います。まるで長野の大自然の中で森林浴をしているかのよう。元々は香り付けのためのアイデアだったそうですが、味にもハーブのディルのような味わいが加わり、食べていて「檜がおいしい」と感じるから不思議。そして何よりおいしいのが感動的です。中華の概念がガラッと変わった出会いでした。
長野県松本市大手1-1-28 アルティザ松本1F 「ナチュラルスープヌードル&スパイスラボ GO-SHIKI」
西沢 寛佳さん
TEL:0263-33-0853
202484日放送
長野県岡谷市
岡谷流うな重
皮はパリパリ、中はふんわり、甘めのたれ
皮はパリパリ、中はふんわり、甘めのたれ
岡谷流うな重
諏訪湖のほとり、長野県岡谷市はうなぎの激戦区。多くのうなぎ専門店が立ち並び、うなぎの消費量は日本有数です。かつて、江戸時代に参勤交代でこの地を通るお殿様にうなぎの蒲焼を献上していた歴史があり、浜松で生まれたうなぎの一部が「暴れ川」と呼ばれる天竜川を上り、水源である諏訪湖を棲息地としていたという背景があります。そんな岡谷のうなぎの最大の特徴は、「岡谷流」と呼ばれる独特の調理法。さばき方は背開きの「関東風」ですが、焼き方は”蒸してから焼く関東風”ではなく、蒸さずに地焼きの「関西風」という、関東・関西の両方を取り入れたもの。おそらく天竜川が文化の境目になったようで、隣町では関東風しか根付いていないのだそう。ボリュームのあるかば焼きに箸を入れると、身のふんわり感が「良いうな重だ」と期待させます。ごはんとともに口に運ぶと、身はジューシーで皮はパリパリ。地焼きだからこそ味わえる最高の食感です。これに甘めのたれがまたよく合い、箸が止まりません。一気に完食してしまいそうですが、安曇野のわさびを少しのっけると味変もできて一層楽しめます。わさびの上品な辛味がうなぎの脂と中和して、食べ進めた後でも爽やかにいただけます。もう言うことが見つからないほど黙々と堪能させていただきました。
長野県岡谷市天竜町3-22-11 「うなぎの館 天龍 岡谷本店」
今野 利明さん
TEL:0266-23-0669
2024728日放送
長野県松本市
信州ナチュラルフレンチ
野菜を愛し、野菜に愛されたシェフのとっておき
野菜を愛し、野菜に愛されたシェフのとっておき
信州ナチュラルフレンチ
長野県の松本市は蔵の街。今もなまこ壁の土蔵が数多く残っています。今回は明治時代の名門商家をリノベーションした人気レストラン「ヒカリヤ ニシ」におじゃましました。シェフの田邊さんは世界中の有名レストランを渡り歩き、日本を代表するフレンチ料理人の一人として世界的にも高く評価されています。そのスタイルは「ナチュレフレンチ」という、地産地消をベースとしたマクロビオティックなフランス料理。特に野菜に対する思い入れが強く、「西洋の野菜は”土の野菜”だけど、信州の野菜は“水の野菜”」と捉え、瑞々しくて甘みがあり、収穫したものをすぐに調理して提供できることは、東京ではなかなかできない特別な事だといいます。例えば前菜の「アルティザン」という野菜のオードブルは、田邊シェフが親しくしている約270軒の生産者たちから仕入れた信州野菜を、季節に合わせて約50種類使用。それぞれ別々に調理・味付けしているので、1プレートに50種類の料理が乗っていると言っても過言ではありません。そこに上田市で作られているキャビアが添えられ、牛肉とフキのソースが全体をまとめます。そもそも「アルティザン」という言葉が、フランス語で「職人たち」を意味するもので、生産者たちへのリスペクトに溢れた一皿です。メインの「信州プレミアム牛の炭焼き」は、添えられた極太のアスパラの存在感がすごく、シェフいわく「主役はアスパラ。お肉が添え物です」とあくまで野菜が中心。アスパラもここまで大きいと大味になるかと思いきや、やわらかくてジューシー、かつ感激の甘さです。お肉は「カイノミ」というヒレ肉に近い部位を寝かしつつ丁寧に炭火で焼き、天龍村で年間300個しか作られない「ゆべし」を使った赤ワインソースでいただきます。こちらも、ゆべしの柚子や添えられた山椒の葉など、野菜によってお肉がよりおいしく感じる仕掛け。信州の野菜を世界レベルの料理に引き上げるシェフの腕に脱帽です。
長野県松本市大手4-7-14 「ヒカリヤ ニシ」
田邊 真宏さん
TEL:0263-38-0186
2024714日放送
長野県茅野市
献上寒晒しそば
ツウが待ちわびる幻のそば
ツウが待ちわびる幻のそば
献上寒晒しそば
江戸時代、諏訪高島藩から将軍家への献上品だったという“幻のそば“を求めて、長野県茅野市にやって来ました。この「献上寒晒しそば」は、冬の一番冷え込んで水がキレイになるという大寒(1月20日頃)の清流に10日ほどそばの実を晒し、その後1ヵ月半かけて程よい水分量になるよう見極めながら乾燥させ、夏の一番暑い7月上旬から茅野市の一部のそば店で供されます。そのため「毎年7月~、約1ヵ月しか味わうことができない貴重なそば」としてそば通の間で話題です。元々は土用の献上品の為、茅野の気候や風土を利用して保存目的で作られたものですが、冬の冷たい水に晒すことでタンパク質やアクが抜け、雑味が抜けたふんわりした甘み、そしてほのかで上品な香りが出るそばになります。また、相対的にでんぷん質が多くなるので、モチモチとした食感も楽しめます。製粉したそば粉は、つなぎを一切使わない「十割そば」に。繊細な香りを楽しむ為、まずはつゆではなく水に浸して食べるのがツウ。アーモンドのようなふんわりした香りが、一般的なそばとの違いを明確に感じさせます。十割そばの場合、お湯の熱でつなぐ方法もありますが、「呉竹房」では寒晒しそばの香りが飛ばないように、水でつなぐのがこだわり。昆布と鰹節でだしをとったつゆですすると、普通のそばに比べて「軽い」と感じます。モチモチとした食感も相まって、気分はお殿様です。
長野県茅野市米沢3802-1 「手打ちそばの呉竹房」
矢野 誠二さん
TEL:0266-72-6701
202477日放送
長野県安曇野市
安曇野のわさび
わさびとしょうゆだけで感動のおいしさ
わさびとしょうゆだけで感動のおいしさ
安曇野のわさび
長野県安曇野市は日本有数のわさびの名産地。北アルプスの豊かな湧き水を利用した「大王わさび農場」では、冷たく清らかな水が約2年の月日をかけてわさびを美味しく育ててくれます。この“本物”のわさびを主食として楽しむには、「本わさび飯」がオススメ。ごはんにわさびをのせる、というシンプルながらクセになる食べ方で、そこには幾つかのポイントがあります。まず、わさびをすりおろす際に「茎」の方からおろすこと。見た目的に「根」の部分からおろしがちですが、他の根菜類同様、わさびも根から茎に向かって成長するので、茎に近い方が新鮮で香りが立ちます。そして、ほんの少量だけ砂糖をつけておろすのもポイント。こうすると、わさびのアク(苦味)が砂糖で消え、香りと辛味が立ちます。おろし方も、円を描くように軽めにおろすと、空気を含んでクリーミーな舌触りになり、わさび本来の最高の風味を引き出します。また、わさびは温かいごはんの上に直接のせると、熱でせっかくの香りが飛んでしまうので、鰹節、青ねぎ、刻み海苔などを敷いてからのせるのがオススメ。ここまで丁寧に作業したら、あとはしょうゆをかけてかきこみます。安曇野の本わさびは、粘り気がある静岡の本わさびと比べて、さらりとした口当たりとまろやかなコクが特徴。上品な辛みがしょうゆの塩味と最高のコンビネーションです。これにだしをかけ、「わさび茶漬け」にしても美味。わさびの辛さと爽やかな風味で食が進みます。清廉なわさび田で食べる極上のわさび飯は、心も清らかにしてくれる気がします。
長野県安曇野市穂高3640 「大王わさび農場」
藤井 一幸さん
TEL:0263-82-2118
2024630日放送
長野県松本市
コーヒーと合うおやき
今っぽくて外国人観光客や若い人に大人気
今っぽくて外国人観光客や若い人に大人気
コーヒーと合うおやき
世界中から観光客が訪れる、国宝・松本城。そのすぐ近くにあるカフェ「小昼堂」では、コーヒーと一緒に信州名物のおやきが味わえます。でも、ただのおやきじゃありません。「野沢菜」「きんぴら」といった定番に加え、若い人にも受け入れてもらえるように、チーズ入りの「キーマカレー」をはじめ、豚の挽き肉やタケノコなどが入った「中華ビーフン」、「ラムレーズンカスタード」など斬新なメニューが目を引きます。もともと長野では農作業の合間に食べるおやつ(間食)のことを「小昼(こひる、こびるとも)」と呼んでいますが、そんな“おばあちゃんの味”イメージの強いおやきをカジュアルに若者にも手を伸ばしやすい形にアレンジしているんです。その最大の特徴が、具を包んでいる皮。パンに近い食感を出すため、一般的なおやきを作る小麦粉に加え、パンに使う小麦粉をブレンドしているんだそう。一口食べれば、中はもちもち、外はカリッとしていて「今まで食べたことのないおやき」に出会えます。パンに近いからこそキーマカレーも合うし、ラムレーズンカスタードのようなスイーツ系もめちゃうまです。せっかくなので全種類食べたいと思ってテイクアウトして、松本城を眺めながら一口パクリ。これは「茄子ふき味噌」だったんですが、あまりにおいしくて。。。買い足しに店へ戻っちゃいました。
長野県松本市大手3-5-11 「小昼堂」
増木 絵里奈さん
TEL:0263-88-3291
2024623日放送
長野県安曇野市
重ね煮の炒り豆腐丼とだしいらずのみそ汁
知っておくと超便利!野菜たっぷりなのにカンタン時短
知っておくと超便利!野菜たっぷりなのにカンタン時短
重ね煮の炒り豆腐丼とだしいらずのみそ汁
前回に引き続き、安曇野市在住で世界が注目する料理研究家・戸練ミナさんに「重ね煮」を使った料理を教わりました。この「重ね煮」は数日間冷蔵庫で保存可能なんだそうで、しかも一度煮ているので、他の料理に加えると時短にもなるんです。例えば、手軽にガッツリと、でも低カロリーにヘルシーに食べたい、そんな時におススメの一品「ゆるゆる炒り豆腐丼」は5分くらいで作れます。フライパンにごま油を熱し、豆腐を加えて木べらで崩しながら炒めます。豆腐の分量も神経質にならずにゆる~くでOK。全体に火が通ったら重ね煮を加えて炒め、塩、しょうゆで味をととのえます。あとはごはんにのせ、かつお節と三つ葉を散らして出来上がり。入り豆腐が玉子のようにふわふわで、野菜のシャキシャキ感や重ね煮から出る野菜だしがきいて、ごはんが進みます。これに合わせるみそ汁も超カンタン。お椀にみそと重ね煮を入れ、お湯を注いでかき混ぜれば出来上がり。重ね煮の野菜の旨みが絶妙なだしとなってみそとマッチする、素朴ながら心と体がほっとゆるむ一品です。これで主食と汁物ができちゃうなんてスゴ過ぎます。北アルプスの山々を眺めながら食べていると、戸練さんから大事なことを教わりました。この野菜たちの水分は、北アルプスをはじめとする山々の雪が溶け、地面にしみこんだものを野菜たちが吸って育つからおいしいんです。だから地球を汚しちゃいけないんだということを学びました。山々に向かって感謝の言葉を叫ぶとともに、重ね煮の奥深さを知りました。
長野県安曇野市穂高2004
戸練 ミナさん
Instagram: @toneri_mina
2024616日放送
長野県安曇野市
重ね煮
野菜がとびきりおいしくなる魔法の料理
野菜がとびきりおいしくなる魔法の料理
重ね煮
北アルプスを映す田んぼが印象的な、長野県の安曇野市。今日は、海外からも料理教室を依頼される安曇野市在住の料理研究家・戸練ミナさんに「重ね煮」を教わりました。これは、野菜を重ねて煮るだけでそのポテンシャルを最大限まで引き出す調理法。「基本の重ね煮」の材料は、玉ねぎ、にんじん、しいたけと塩だけです。まずはしいたけを3~4㎜幅の千切りに、玉ねぎは薄切りに、にんじんは皮を剥かずに斜め輪切りにし、その後、千切りにします。しいたけの軸や玉ねぎの芯なども使い、それぞれの野菜の「食べられないところ“だけ”取り除き、あとは全て使う」ことで野菜本来の力を削ぎ落さないイメージです。続いて鍋に野菜を重ねていきます。ポイントはその重ね順と塩。まず鍋底に少量の塩をふるのが戸練流。この方が野菜がよりおいしくなるそうです。重ねる順番は、下からしいたけ、玉ねぎ、にんじん、最後にまた塩の順。「天に向かって育つ野菜を下にして、地に向かって育つ野菜を上にする」陰陽の考え方がベースです。あとはフタをしてとろ火でじっくり30~40分煮るだけ。野菜から水分が出るので水は加えません。できたてをいただくと、ただ野菜を煮ただけより甘くてとにかく旨みが強い!ブイヨンのような「野菜だし」が口中に広がります。野菜のシャキシャキ感も残っていて楽しく、バクバク食べられます。野菜嫌いの人にこそゼヒ試して欲しいですね。実はこの重ね煮、色んな料理に応用できるということで、次回は実用的なアレンジ料理を教わります!
長野県安曇野市穂高2004
戸練 ミナさん
Instagram: @toneri_mina
202469日放送
長野県下諏訪町
馬刺しと桜鍋
低カロリー、高タンパクで超ヘルシー
低カロリー、高タンパクで超ヘルシー
馬刺しと桜鍋
中山道と甲州街道が合流する宿場町として栄えた下諏訪町。旅の疲れを癒す温泉も人気の観光地です。今日は、1日5組限定の閑静な温泉旅館 「梅月」に来ているんですが、こちらの馬刺しがすごいんです!料理店で供される一般的な馬刺しに比べ、宿が特別に仕入れたものを驚くほど厚く切って出してくれます。これを、にんにく入りしょうゆの特製だれでいただくと、あっさりしつつもまろやかで甘みがあり、舌の上でトロリととろける「本物の味」がたまりません。長野県、特に南信州は元々農耕馬をはじめとする馬の名産地で、お上にも献上していたそう。その際、老いた馬をお上に許可をいただいて食べるようになったと伝わっています。女将さんも幼いころから馬肉に親しみ、特に盆暮れのごちそうは馬肉のすき焼き「桜鍋」だったそう。馬肉は火を通すと硬くなるので、鍋にする際は薄切りにします。しょうゆや砂糖などの一般的なすき焼きの割り下に信州みそを加えたものでささっと煮て、溶き卵にくぐらせていただきます。牛肉よりサッパリしているので、重くならずにたくさん食べられるのも馬肉ならでは。しかも低カロリーで高タンパクな上、鉄分や疲労回復に役立つグリコーゲンも多く含まれるので「馬力が出る」とも言われます。温泉につかっておいしい馬肉料理に舌鼓、さらに女将さんたちの明るい笑顔にも癒されました。
長野県諏訪郡下諏訪町3313
「信州しもすわ温泉 梅月」
道見 シゲミさん
TEL:0266-27-0055